集団指導の塾は、全道各都市に必ず存在している、いわば塾の定番ともいえる存在です。
とはいえ、大手塾から個人塾まで様々な形態がありますので、塾選びは慎重ならざるを得ません。
(1)大手塾のメリット・デメリット
①メリット
〇各種のプリントやテキストが標準化されているので、指導の方向性はしっかりしている。
〇大規模教室がある本部では、学力別のクラス分けができているので、自分の実力に見合った授業を受けることができる。
〇北海道学力コンクール以外の模擬テストも実施するケースがあり、全道規模のデータ蓄積が進路選びに役立つ。
〇小規模教室では、基本的に中学校単位になるので、進路の設定が中学校に準拠している。
②デメリット
〇クラス定員が20名以上の場合が多く、中には50人以上の規模のケースもある。そのため、中学校と大差なく質問等がしにくい環境となりやすい。また、大人数ゆえ講師の目が届きにくく、いじめなどの問題も起きやすい。
〇上記と関連して、本部などの多教室運営では、中学校別の対応は期待できない。
〇担当講師のアルバイト比率がクラスや塾運営会社によって異なる。アルバイト比率が極端に高いクラスに所属すると、授業の緊張感が欠如しがち。
〇生徒募集の時期になると、生徒を営業マンとして利用するケースがほとんどで、塾の宣伝を生徒にさせる。一部の大手塾では、他塾の非難を学校で塾継続生を通じて行った事例もあり。
〇企業の収益増加のため、月謝等の諸経費が高めになっている。教室の環境が優れる事の見返りに高いケースが多い。
〇小教室の立地(テナント物件)によっては、生徒が付近住民とトラブルを起こしやすい。個人塾にも同様な問題はあるが、本部から講師が授業時間のみ派遣される大手塾は目が届きにくく、アルバイト比率も高くなるので深刻である。
(2)個人塾のメリット・デメリット
①メリット
〇「担当講師=経営者」いわば、個人商店主が授業をするので、目配りがきくこと。
〇クラスがそれほど大人数にならず、質問等もしやすい。
〇アルバイト率が当然低い。アルバイトも経営者が目の届くところで管理されているので、信頼が置ける。
〇対象とする中学校の過去情報に詳しい。定期テスト対策指導は、かなり的を得ているケースが多い。
②デメリット
〇単一中学(多くても3校程度)の運営になるため、1クラスに上位~下位のすべてが所属するケースが多い。
そのため、授業内容が生徒の学力に合わないケースがある。
〇北海道学力コンクール以外、全道比較できるデータがない。
〇カリキュラムが生徒本位・中学本位になりがちで、極端な場合、行き当たりばったりの無計画な塾もある(宿題がない、前回と無関係な範囲を進むなど)。
〇複数教科を少ない講師で担当するため、教科によって授業力に疑問符がつく場合もある。特に5教科を1名で指導するケースは注意が必要。
まとめると、お子さんが上位の進学校を目指すのであれば、他校のライバルと競える環境が望ましく、単に学校授業の補完を目的とするなら、個人塾のほうが気配りができる分有利といえます。
ところで、塾選びの選択肢の一つに塾に通わせる年数を設定しているでしょうか。大手塾では半年未満で塾をやめた場合、テキスト代・テスト代等の経費のほとんどが返還されません。
様子を見てすぐに替えるケースがあるのであれば、そのリスクも知っておいてください。また、中学時代だけでなく、高校でも通わせる可能性があるのであれば、高校生の対応ができる塾を選ぶほうが、子供たちも違和感なく進級できるメリットがあります。
私の経験上、生徒さんのタイプによって、大手塾型・個人塾型は確かに存在すると感じます。独立独歩で自分の必要な情報を選択して吸収するタイプは、大手塾に合うと思いますし、きめ細かい対応を望むなら個人塾のほうがベターです。
(3)集団塾選びのポイント
〇評判は広告より、口コミ重視。
→チラシ広告やHPには自塾が不利になるようなマイナス事項は100%書かれていません!むしろ、広告は実物よりも美化されるケースがほとんどです。
ご父母の皆さんは、チラシでおいしそうに思ったケーキ屋のケーキを「食べてがっかり。」なんていう経験をしたことがありますよね。ところが、隣の奥さんが、「だまされたと思って食べてみて。」と紹介してくれたケーキはおいしいケースが多いですよね。
塾選びもそれと同じです。特に、大手塾では展開する教室によって、評価が180度違うケースも多いですから、同級生・先輩のお母さんの反応は、とても重要です。
チラシは、費用や時間割を比較するためのものと割り切ってください。大手塾のチラシに書かれる美辞麗句のほとんどは、指導にタッチしていないライターが書いたものですから、真に受けるのは禁物です。
〇お子さんの知り合い(友人・同級生など)の情報をさぐる
→中学生であれば、特に重要です。仲の悪い友人や好きな異性がいる教室では集中できないケースが多いようです。
また、大規模教室では、同じ中学からの生徒の人数も生徒さんによって「多いほうがいい」「いないほうがいい」など要望が出てきます。希望に沿った生徒配分の塾を選ぶのが理想です。
〇合格実績は教室単位でチェック!
→大手塾は合格実績をトータルでしか発表しませんので、その教室で何名合格かを把握してから選びましょう。個人塾でもその実績で補習色が強いか、進学色が強いかを判断できます。
なお、公にならない不合格者情報も重要です。所属する塾継続生の20%以上が不合格なら、通うに値しない塾です。
〇友人紹介カードを配る塾は怪しい!
→前述のように、一部の大手塾では生徒を営業マンとして活用するケースがあります。
生徒募集の時期になると個人面談を実施して誘える友人をピックアップする塾もあれば、1名紹介で図書券500~1000円分を報酬として塾継続生へ渡す塾もあります。
生徒を金品で釣るのは、教育者として正しいとは微塵も感じません!!現に、学校での客引き合戦の末、友人トラブルに発展したケースもあるのです。
お子さんに悪い影響を与える塾には、通わせないのが一番です。