・第4話 指導と方針の確立
安達(A):2年目は、飛躍の年というか、塾として安定的な指導をつくるきっかけの年になったわけですが、それを3年目の募集につなげて、さらなるステップアップといくわけですね?
長山(N):安達さん、そう思うでしょうけど、現実は甘くなかったですよ(笑)。
前年度の塾生は、15名のうち、12名が受験学年だったため、3月から在籍数が3名になり、赤字に転落というより経営の危機に陥りました。
2年目で、中3の指導に追われ、その下の学年を集める努力を怠ったため、この年の4月スタート時の中3はわずか2名なんです。ただ、この年の生徒は、昨年と違い中堅高をめざす生徒であったことは救いでしたけどね…。
(A):そうすると、また2年目のように募集に頭を悩ますことから新年度が始まったということですね。ホント、この問題だけは毎年ついて回るので大変です。
(N):夏までに生徒が集まらなかったらおしまいと考えました。とにかく生徒が欲しいと、春休みに無料講習を実施しました。
そのとき、モンスターマザーの子供が入会しましてね…。強烈なクレイマーにしばらく大いに苦しむことになります。この母のそしりに耐え、必死に指導する日々がしばらく続きました。
(A):長山先生、どんだけひどいモンスターマザーだったんですか?
(N):テストで、平均点を少し上回るくらいに力しかない息子を進学校に入れることを要求してきました。
モンスターマザーの息子はなかなか成績が上がらず、クレームに毎日苦しまされました。目標点が達成されないと、テストが終わるたびクレームです。
これが悩みの種でした。
(A):ふぅ、僕だったら耐えられなくて神経性胃炎で入院です(笑)。
(N):私だって、そうなりかけましたよ(笑)。
(A):でも、結局は効果的な対応法を見つけたわけですよね。
(N):まずは面談でのクレームに対し、相手の無理な要求にいちいち対応するのをやめました。
すると、その数ヶ月後、その母は
「お宅にいても、全然よい傾向が出ないので辞めることにしました。」
そういい残して他塾に移っていきました。
(A):つまり、塾としての指導方針をしっかりと説明して、そのラインから外れることはできないということをお話し続けたということですね。
僕も、家庭教師派遣会社で家庭教師をやっているとき、そんな親に遭遇したことがあります。こちらの指導計画や方針など聞く耳を持たず、とにかく要求ばかり突き付けて、子供の成績がアップしても評価なしでした。
会社に聞けば、あまりにもクレームが多くて、何人も教師を変えてきたということで、いわば貧乏くじを引かされたようなものです。
まあ、その家庭の場合は、僕から辞めましたけど…。塾だと、なかなか難しいですよね…、空条承太郎じゃないですけど、やれやれですね(笑)。
(N):苦労を共有できる方と話しできるのは、幸せです(笑)。
(A):ところで、その他の募集面や指導面の取り組みはいかがでしたか。
(N):もう宣伝に金をかけられないということで、自力でホームページを立ち上げることを決意しました。
すぐにはホームページはできなかったのですが、ブログを始めることができました。
(A):そうでした!そのブログが僕がStudy Gymさんを知るきっかけになったんですからね。
(N):これが効を奏したのかはわからないのですが、夏休みの講習に8名の生徒(中2が7名、中3が1名)が集まり、そのほか外部生も2名の申し込みがありました。生徒は9月に15名になりましたよ。
(A):2年目と同じように、夏から生徒が増えましたね。指導面もかなり大変だったでしょう。
(N):まだまだ余裕がないため、必死に指導しましたね。
そこで、夏から秋の優先事項は、英数国の基礎作りを徹底しました。特に英・国は長文問題に慣れるべく、毎日長文問題と単語力増強に取り組みます。
数学は、中3の教科書を進んでいた学校の進度が遅いため、平方根と2次方程式が7割、一次関数の基礎が3割です。
初年度の秋に駆け込んできた中3が、夏休み中の短期間に点数の伸びる理社に勉強が傾きすぎて受験を失敗していたため、それを教訓に、夏期講習は英語・数学の時間が全体の6~7割になるくらい、とにかく英数の土台作りに専念しました(模試の成績は11月から急上昇)。
理社科の中1・中2の復習は秋から本格的にやりました。受験英数の知識が吸収できる頭になった生徒には、理社科の指導でほとんど困難はなかったですね。
(A):そうしてまた、3月には指導の成果が出るわけですね。
(N):この年も中3生は、全員合格でした。なによりも、生徒がうちの塾を好きになってくれたことがうれしかったです。
(A):この3年目というのは、さまざまな出来事があった中でStudy Gymの指導や運営の方針の大枠が出来上がった年と言えるのではないでしょうか。教訓とか、指導方針で学んだことを教えてください。
(N):指導面では次の2点ですね。
「力の少ない生徒は、なるべく早い時期に力がついていることを実感させ、のせてしまう。」
「基礎のある生徒は、最初は、手っ取り早く伸びる理社でなく英数にじっくり取り組ませる。」
あと、教訓としては、
「安いことを売りにすると、塾を渡り歩く問題児やモンスターマザーが来る。」
っていうことに尽きますね(笑)。
(つづく) 次回は2008年~2009年編、そしてどんな塾を目指すのかについて。
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