皆さんもご存知のように、新学習指導要領において、小5・6において英語が必修化されます。前述の神谷塾では新年度よりSee-beシステムの更なる可能性をもとに、小学生の英語クラスを立ち上げます。
See-beを活用することによって、発音や会話中心の小学校英語指導への対応の道筋を構築することは、かなり魅力的であるといえます。
神谷塾長はそのために1年以上前から授業内容の構築と指導法を確立する作業を進めていたようです。もっとも、実際に運用しながら作り上げていく部分もあるのは当然ですが…。
その面だけなら他塾でも運用してもよいのではと考えますが、それができないのはさなるとの契約上の問題があるからなのです。
See-beシステムは、指導上画期的なシステムではありますが、その活用には細心の注意が必要であることは、前回及び前々回で述べた通りです。その上、導入には次のような経費や資材が必要です。
①インストールするPCの台数により、初期契約金が異なる。
・1~20台…20万円 ・21~30台…30万円 ・31~50台…50万円 ・51~70台…70万円
・71~100台…100万円 以下略(801台以上は1000万円)
②月額利用料がPC1台ごとに発生する。
・1台あたりの利用料は、月額49,800円。また、メンテナンス料が1台当たり月額5,000円必要となる。
③高価な付属機器が必要になる。
・PCはもちろんのこと、運用するために“See-beコントローラー”が必要になる。また、集団指導用に“高輝度プロジェクター”“専用ホワイトボード”も必要になる。
④特定学年、特定教科だけのインストールはできず、最低でも小中5教科導入になる。
契約金や月額指導料から考えて、多くのPCにインストールするのはかなり難しい話でしょう。
神谷塾では、1台のPCにインストールし、集団授業で使用しないときは、個別生への対応にも利用しています。これは1つのブースで集団と個別を併用している授業形態のなせることで、数教室ある集団指導塾では、教室ごとにPCと機材を購入せねばなりません。
前回記載したR会の場合、全道の教室数はまちがいなく800室以上でしょう。そうなると、契約金が1000万円。月額使用料は約4400万円になってしまいます。
もっとも、企業自体が買収されたとなれば、もっとダンピングされるでしょうが、さなるがそれだけの投資をしてまでSee-beを導入するとは考えにくい話です。
大手塾でなくても4教室を構えている規模の個人塾であれば、月額約21万円の使用料が発生します。この分をカバーするには最低でもSee-be効果で10名以上の塾生を導入前に加えて確保しなければならない計算になります。
神谷塾の運営の場合は、2~3名でペイする投資で導入できていることがポイントです。すでに、その効果での新規獲得数ははるかにその人数を上回っていますので、導入に成功したといえるでしょう。
どちらかといえば集団指導向けのSee-beシステムですが、これだけの投資を北海道の学習塾に求めるのは無理な話でないでしょうか。さなるの営業設定自体に無謀さを感じます。
さらに、指導上の問題も発生しているようです。さなるの若手の講師は、See-beシステムなしでの指導経験は皆無です。ということは、さなるはSee-beなしでは指導ができない未完成の講師集団へと徐々に変貌してきているのです。
2月21日付“羊蹄学園大学社会学部講義集”において、さなるを独立して「夢現塾」や「開拓塾」などの有力な私塾を立ち上げたOBがいることが記載されていましたが、それはあくまでもSee-beに頼らずに授業できる世代の話です。
See-be世代は、仮にさなるを独立したとしてもSee-beなしでは満足な指導ができない可能性があります。結局はSee-beと離れられなくなるのです。
さなるは「自企業から離脱できない社員講師を育成している」という風に僕はとらえてしまいます。万が一、独立したとしてもSee-beシステムの良い顧客になる運命が待っている…。まるで麻薬のようなシステムですね。
そのような講師の育成にかかわる問題も、See-beシステム導入に二の足を踏む塾が多い理由の1つではないでしょうか。
神谷塾長は、See-beシステムのよい面だけを活用しています。国・英・数の板書指導に関しては、ほとんど重視していません。そのように割り切るのであれば、See-be活用の道はあるでしょう…。
指導内容をマルチメディア化すること自体は、僕はよいことだと思います。しかし、あくまでも講師の能力の低下を招くシステムではなく、さらなる可能性を追求できるようなシステムであることが当然と言えるでしょう。
もし、やる気のある講師の方がいましたら、マイクロソフト“パワーポイント”を使えば、ある程度の板書補助教材は自作できますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。僕も4年ほど前に試作したことがありますが、それほど難しい作業ではありませんでした。
生徒にとって有用なシステムは、講師自らが工夫するプリントや教材の延長線上にあるものでしょう。そのラインを外れて、他人のシステムに頼りきることは危険なことです。
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