さて、教材展示会におきまして、僕が興味を持った指導システムについて今回はご紹介いたします。PCを使ったプリント教材出力と指導管理ができるというものなのですが、次のように配置されていました。
システムの名称は「e-トレ」と申します。あらかじめ、PCに指導時間帯ごとの生徒情報・指導教科や単元を入力しておけば、その時間帯で指導を受ける全生徒ごとの演習プリントを出力できるというシステムです。
基本的に、生徒が自学するような内容になっていまして、個別指導というより、6~8名を同時に指導するグループ学習向けのものといってよいでしょう。
これから個人塾を起業しようと考えている方には、触手が伸びるすぐれもののシステムかもしれません。ただ、この機材のプレゼンをしてくれた教材会社の方の営業方針を聞いて、「あれ?」と思うことがありました。
まず、多くの大手塾で導入されていること(全国的には3000以上の塾)をお話しなさってましたが、道内では札幌市で展開するR会グループの円周率で使用されているとのことです。
ただ、円周率は全教室で導入しているわけではなく、2~3教室での試験的な採択ということのようです。まあ、新しいものなので効果がどれだけあるか確かめてみようというのが考えにあるのでしょうね。
しかし、HZ会やS英予備校などの大手塾は、こういったe-ティーチングシステムをいろいろな形で自社開発しているのに対し、R会はあくまでも他社のシステムを導入しようとするわけです。システム分析のために試験採用したのかもしれませんが、R会には早急に自社システムを開発するように心がけてほしいものですね。
次に、営業の方が申されたのは、
「練度の低いアルバイト学生を使っても、次回に指導する内容をあらかじめ予習できるので、管理がしやすいですよ。」
という主旨の内容でした。確かに、それは言えます。模範解答付きでプリントを出せるならたとえ高校数学Ⅲの内容でも対応できます。いわば、専門教科以外でも指導できるように整えてくれるわけです。
しかし、このシステムに頼りすぎると講師個人の資質はアップしないでしょう。僕の考えが古いのかもしれませんが、あくまでもPC指導システムは講師の補助であって、木偶の坊を生徒の前に立たせるためのものではないでしょう。
これに慣れきった講師が指導力を身につけたと勘違いし、そのレベルでよいと進歩がなくなる可能性は多々あります。教室責任者がどれだけ上手にスキルアップの道筋をつけれるかに課題があります。
また、そこまでのことを要求しない教室責任者や経営者が導入したとしたら……。おそらく、見せかけだけの塾に成り下がるでしょうね。
誤解のないように申し上げますが、「e-トレ」自体は優れた教材だと思います。ただ、名刀正宗をぼんくら剣士に与えても無駄なことと同じと感じるわけです。導入する各塾の皆さん、講師研修も忘れずにお願いします。
次回は、講師の資質という点にスイッチした内容で書かせていただきます。
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