ちょっと古いニュースなんですが、コメントしたいので掲載しました。
★「うちが1番」広告、多いのはサービスでは学習塾…公取委調査
「合格実績ナンバーワン」「売り上げ第1位」など、1番を強調する広告について公正取引委員会が調査したところ、サービスでは「学習塾」の広告で最もよく使われていることがわかった。公取委は「『1番』の根拠が明確でない場合、景品表示法違反になるおそれがある」と指摘している。
調査は、各業種のチラシやポスターなど415点を収集。消費者モニターにもアンケートを実施し、報告書として、このほどまとめた。
サービス分野では学習塾(16.9%)、住宅関連リフォーム(12.4%)、住宅建築(11.6%)の順に多かった。
売り上げ実績の「ナンバーワン表示」は、買い手にその分野の知識が少なかったり、商品が高額だったりする時に、判断材料にされる傾向があることが、アンケートで判明。公取委は、消費者が有益情報として表示を参考にしていることから、「1番」表示には、基となる調査の客観性や正確性が重要と指摘している。
また、報告書の中で公取委は、今後、景表法違反として取り締まりの対象となる可能性のある悪い広告事例もあげている。いつ時点の調査なのか不明なケースや、統計調査の出典がないケースについて、関係業界に注意を促している。
一方、業界側も努力をしている。学習塾の業界団体「社団法人全国学習塾協会」は、広告では客観的事実に基づく数値や根拠を示し、「絶対合格」「●●点上昇確実」などの言葉を使わないよう、自主基準を定めて求めている。
しかし、全国に約4700社ある学習塾のうち、同協会への加盟は、大手を中心に約630社程度。自主基準の網がすべての業者にかけられていないのが現状だ。
同協会は「自主ルールを守らないような業者は、そもそも協会に加盟してくれない」と、悩みを打ち明けている。
出典:『朝日新聞』2008年8月17日付(関係分抜粋)
“道内学習塾の生き残り戦争”第3章に書いた内容でもあるので、背景はおわかりかと思います。
確かに塾業界はこのような広告が多いですね。ちなみに「強調広告」が多くなるのは、主に次の2つの理由によるようです。
1.強力な大手ライバル塾があり、そこよりも実績があることをアピールするため。
2.地域への浸透度が低いので、実績を目立たせるため。
1,2の理由をもとにチラシ宣伝するといえば、誰が考えても「大手塾」ばかりでしょう。事実、2003~2007年の間に、練成会グループ・北大学力増進会・秀英予備校の順に、公取委から警告を受けています。
しかし、警告内容が同じかといえば、そうでもないのです。練成会グループと秀英予備校では、合格実績における「講習会員+塾継続会員」の算出方法にもクレームがありました。
公取委では、「10日未満の短期ゼミ(春期講習・学力対策ゼミ・入試対策模試ゼミなどが該当)やテスト会のみの受験者は講習会員に含めず、中3以降に在籍記録のある生徒を塾継続生とする。」というのをガイドラインとしています。
練成会グループと秀英予備校は、上記のガイドラインに反していたということです(要するに合格者の水増し行為)。
北大学力増進会(進学会)は、「全道(全国)ナンバーワン」という表記で警告を受け、ガイドライン違反では警告されていません。
ただし、表面的な警告内容だけが真実ではないでしょう。私は、92年春ごろの大手2塾の広告チラシを知人から見せてもらったことがあります。片方はA3版に新聞活字程度の小さな文字で合格者氏名を印刷したもの。もう一方は、B4版で、塾継続生氏名のみを掲載したものです。
両方を見比べると、明らかに同じ人物と思われる生徒が2名ダブってました。その当時は、いろいろな塾でも水増し行為していたのでしょうね。
ここで、私が提言したいのは、公取委は「ガイドラインの拡大解釈ができないような厳しい基準を設定する」「ナンバー1の認定をする機関を設立する」ことです。
そうすれば、真のナンバー1広告ができるんじゃないですか? それなら消費者も混乱することがないでしょう。
ただ、その認定をどこが請け負うかがネックですね。記事にある「社団法人全国学習塾協会」では、あまりにも加盟塾が少なすぎます。上記の大手塾で加盟しているのは1つの塾しかありません(加盟塾はHOMEのリンクから見てください)。任意加盟団体では、規制的な動きは期待できないのです。
塾業界の管轄省である「経済産業省」か新設される「消費者庁」直轄で行う方がスッキリするんじゃないでしょうか。ギネスみたいに認定証を出された塾だけが「ナンバー1」広告の許可を得ればいいんですよ。
他の業界(食品や家電業界など)にもこの制度を取り入れれば、消費者は安心できます。
が、あまりにも荒唐無稽な発想かも? 結局は企業の良心に期待するしかないのが悲しい現実です。
あ、いい方法が。皆さん、怪しい広告があったら、積極的にJAROに訴えましょう!