★河合塾、中学受験事業を拡大、日能研と
予備校大手の河合塾(名古屋市)は中部圏で中学受験事業を拡大する。学習塾大手の日能研(横浜市)と共同出資して設立した日能研東海(名古屋市)の校舎を2011年までに10校舎増やす。大学受験を主力としてきた河合塾は、中学受験事業の強化に本腰を入れる。
現在、日能研東海の校舎は名古屋駅前校(名古屋市中村区)と千種校(同千種区)の2校舎。愛知県では私立中学校受験者数が年々増えており、「2校舎の無料テストに予想を上回る3千人の参加があった」(野田幹人日能研東海社長)。
県内の他地域でも需要は大きいとみて、まず来年2月にトヨタ自動車グループなどの社員が多く居住する刈谷市、豊田市と名古屋市の1社(名東区)、御器所(昭和区)で計4校舎を新設する。その後の2年間で、愛知県以外での開校も視野に既存校を含め12校まで増やす。
校舎新設に伴い、講師も増員する。常勤、非常勤含め各校8人程度の採用を目指す。学校別の対策講座も開設し、受験生の希望にきめ細かく対応する。名古屋駅前校と千種校では今秋、東海中学(名古屋市)と南山中学校(同)など向けの講座を開始した。
日能研は中学受験専門の学習塾最大手。河合塾は中部地域で中学受験事業を展開してきたが、今後は河合塾と日能研のグループがそれぞれ65%と35%出資する日能研東海を通じて事業を運営する。現在の受験コースの募集は今年で中止し、受講生は卒業まで続けるか日能研東海に転籍するかを選べるようにする。
中部では最近、伝統的に人気のある公立校のほか、中高一貫校の海陽学園(愛知県蒲郡市)や滝中学校(同江南市)、東海中、南山中など私立校への入学志望者も増えている。河合塾によると愛知県の私立中学校への志願者は08年度入試で1万2千人と、4年間で約2千人増加した。
中学受験産業も活発になりつつある。日能研と同様、首都圏で学習塾「サピックス小学部」を展開するジーニアスエデュケーション(東京都)は中部でまだ開校していないが、「将来は校舎を設立する可能性もある」(同社)。
河合塾が主力とする大学受験は、少子化の影響で受験生が減少し市場が伸び悩んでいる。一方、子供一人あたりにかける教育費が増えていることから中学受験は活発になっている。河合塾は中学受験のノウハウが豊富な日能研と組むことで、中部で需要を取り込む。
出典:『日本経済新聞』2008年11月21日付
中部圏とはいえ、予備校と学習塾の提携が本格化してきたことを告げるエピソードでしょう。いわば、私教育業界の2極である塾と予備校が手を握ることは、業界内のバランスが大きく変化することになるような気がします。
ただし、需要のある地域のみでの展開と言えるのではないでしょうか。上記の記事のように、河合塾と日能研が北海道で提携するのはほぼ0%の可能性でしょう。
それは、他の私教育企業でも同様です。北海道は、他の地域から比較すると、小学生と高校生の塾依存率が極端に低いためです。
北海道の塾では、進学会が市新との提携を進めていますが、こどもクラブ買収に関しては少々頓挫しているような状況です。
秀英予備校は、東日本学院の買収、福岡進出(九大ゼミを買収したさなるへの対抗策)など、全国に指導エリアを展開する動きをしています。しかし、北海道進出は不発であったが故のあがきのような気がしてなりません。
ただし、進学会や秀英予備校は、率先して提携やM&Aに動いている分、業界の流れをつかんでいるので、まだまだ存続していく企業といえるでしょう。
練成会グループに関しては、あまりにも北海道にこだわりすぎですので、将来的に他企業から買収される可能性もあります。例えば、(株)ナガセあたりが子会社化するプランなども絵に描いた餅とはいえない気がします。