★来春から教科書厚く 検定基準を大幅に緩和へ
文部科学省は12日、小中学生が使う教科書について、検定基準を大幅にゆるめる原案を審議会の作業部会に提出し、了承された。学習指導要領の枠を超える「発展的な学習内容」について、これまでは運用上「義務教育は1割、高校は2割程度」を上限としてきたが、この制限を外す。来年度の検定から適用され、将来は今より分厚い教科書が登場しそうだ。
了承したのは、教科用図書検定調査審議会(検定審)の作業部会。「記述内容が質・量ともに格段に充実するため」の基準見直しを掲げ、改善点を例示した。
今の検定基準では、発展的な学習内容は「分量は適切であること」と条件が付けられているが、原案は制限を外し、「例外的だった扱いをより積極的なものに変える」(教科書課)としている。
「不必要なところはないこと」「程度が低過ぎるところはないこと」といった基準も見直し、例えば小学校の算数の内容を中学校の数学で取り上げられるようにする。「他の教科の内容と不必要に重複しているところはないこと」という基準も変え、抑制的な表現を見直す。審議会本体で年内にまとめる予定だ。
出典:『朝日新聞』2008年11月12日付
「失われた10年教育編」の取り返しに奔走する文科省の姿勢が色濃く反映した政策でしょう。
取り組み自体はいいことでしょうが、学校教育の現場でどこまで取り入れた指導を行えるか、私は懐疑的です。
現行の学習指導要領の内容というより、指導時間枠がかなりの障害になることは予想されます。たとえば、選択教科や総合学習の時間をそういった発展的な内容の指導時間に振り分けるなどの工夫がどれだけできるか。
また、すべての生徒に必要と判断しない学校と積極的に取り入れる学校の格差も大きくなるでしょう。
具体的に指摘すると、北海道のように公立受験主導の地域では、そこまで必要としないと判断される危険性が大です。
運用に関しても何らかのガイドラインを設定しなければ、せっかくの試みも無駄になるのではないでしょうか。