★全国学力テストの結果29日公表(文科省)
文部科学省は18日、全国の小学6年生と中学3年生計約230万人を対象に今年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、結果を今月29日に公表すると発表した。
初年度だった昨年は結果公表が10月24日にずれ込み、学校現場などから「公表が遅すぎ、結果を授業に生かせない」との批判が相次いだため、今年は2学期が始まる前に公表する。
出典:『読売新聞』2008年8月18日付
この動きに関しては、記事に記載されているとおり「昨年度が遅すぎた!」というのはもっともです。北海道の学校によっては更に、学校・地域データ公表に悩み、PTAや生徒に報告したのは年末近かったケースもありました。
しかし問題点は公表時期ではなく、結果報告をもとにした各教育委員会(都道府県・市町村)の対応にあります。
★学校序列化根強い不安、成績活用法 議論進まず(鳥取県)
鳥取県教委は昨年行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市町村別・学校別結果について開示を見送った。
[要約]
◇鳥取県教委は学力テストの結果開示方針を、学校や保護者の反対で撤回した。
◇学校序列化の不安に配慮しつつ、学力向上にどう活用するか議論が求められる。
開示を巡る議論は昨年10月の地方紙記者による開示請求がきっかけだった。開示を求めたのは市町村別、学校別の各教科の平均正答率一覧や、家庭での学習時間など学習状況調査のデータなどだ。文部科学省は「学校、地域間の過度の競争や序列化を招く」として開示しないよう都道府県に通知しており、県教委も昨年11月に一度は非開示を決定した。
しかし、記者の異議申し立てを受け、県情報公開審議会が今年7月8日、「通知に法的拘束力はない」として非開示決定の取り消しを答申。県教委がこれに従う形で開示方針に転じた。開示されれば全国初のケースだったが、小中学校の校長会や、市町村教委の連合体である協議会などから「学校が点数主義に陥る」と一斉に反発の声が上がった。
……中略……
県教委は、市町村教委、校長会のほか、保護者との意見交換会も開いて、開示に理解を得ようとしたが、保護者からも開示を望まない声が多数を占め、今月11日に非開示を決めた。
出典:『読売新聞』2008年8月21日付
文科省も困りものですが、弱腰の教育委員会の対応にも呆れます。賛否両論あるでしょうが、私は「開示推進派」です。というのは、次の思い出があるからです。
昔は、学校で行われた定期テストや学力テストの結果を校内に掲示発表していた時代がありましたよね。それを皆さんはどのような思いで眺めていましたか?
私は、テスト結果が良かった時も悪かった時もありました。よかった時は自分より上位の生徒名をチェックし「次のテストでは勝ってやる!」と闘志を燃やし、逆に悪かった時は「この悔しさをばねに次こそは…」と反省したものです。
このような形で、成果発表をしなくなったのは、生徒の成績による序列化を激化させないための教育的配慮と個人情報管理の両面の問題があったのでしょう。
しかし、個人主義風潮の現代において、学力低下の一因ともなったのではと私は受け止めています。
人間という生き物は生まれながら「平等」を欲するかというと、それは否です。スタートラインに立ってさまざまな競争を始めるとき、誰もが自分が1位になろうとするものですよね。しかし、上位と逆転不可能なくらい離されたとき、追いつくためにどうするかを画策します。
1つは、上位のレベルの者を自分の位置まで引き下げる方法。もう1つは自分のレベルを上げるための公的な補助。それらによって、上位と差を詰めることが「平等」と思い込むわけです。自己の努力に問題があったことを省みずに…。
テストに限らず、成績発表は今後の指針を自己に与えるものでないでしょうか。それがあれば、学校ごとの成績格差があることを真摯に受け止めて、レベルアップする方法を真剣に考えるのではないでしょうか。
成績発表を嫌がる者は、下位に沈み、なおかつ努力を嫌う「後ろ向きな者」の発想ではないでしょうか?
学校の序列化を気にするなら、よりよい指導によって格差をなくす方法を考える方が「前向き」と、私は考えます。
ところで、鳥取県はともかく北海道はどうするでしょう? 多分、非公表の道を選択するんでしょうね。これじゃあ、全国平均が下位のまま沈むわけです……。