8月30日の朝刊各紙において、全国学力テストの結果報告が1面トップで扱われています。全体的なことは措いといて、私は、北海道のデータをもとにした雑感にしぼってお話してみます。
★小学46位 A問題顕著な差 道内学テ 中学44位 3科目差縮まる
全国学力テストで 道内の公立小中学校は、4科目平均の正答率でみると、2年連続で全国平均を下回り、順位は前年度と同じだった。ただ、科目別の正答率では、小学校が国語、算数とも基礎問題で全国平均との差が顕著だった。
小学生は算数Aが正答率66%で全国平均を5・8ポイント下回り、国語Aが61%で同4・9ポイント下回った。文科省は全国平均より5ポイント以上下回ると「学力差がある」としており、道教委はこの2科目について「特に危機感を持っている」としている。国語は「話す・聞く能力」の弱さ、算数は数量や図形の理解不足が目立った。
中学生は全国平均とのポイント差が数学B(正答率46%)で昨年より0・3ポイント広がったが、残る三科目は0・2~0・5ポイント縮まった。国語は文章や論理の展開に応じて内容を理解することが苦手で、数学は数量や図形の知識や理解に課題がみられた。
一方、学習状況調査では、授業以外に1日に1時間以上勉強している割合が、道内は小中学生とも前年度より減った。長期休業中に補習などの学習サポートを実施している小学校は1割で、全国の5分の1にとどまった。
道教委は結果を分析し、11月をめどに学力向上の提言を出す。
出典:『北海道新聞』2008年8月30日付
結局のところ、昨年度と大差がないということでしょう。2004年度に実施した独自調査のデータを、道は教育現場へ何ら還元できなかった不甲斐なさが数値として表されただけのことです。
「危機感を持っている」とコメントするなら、どういう対応をすべきか検討すべきなのに、道教委は具体的な対応策を各市町村教委に丸投げしています。
ゆとり教育による学力低下を検証するために開始された全国学力テストですが、過去2カ年の対応を見れば、単なるサンプルデータ抽出のみが行われ、その対応策が無策に等しい状態です。何が原因なのでしょう。
1つは、日教組に代表される学力テスト抵抗勢力により、テスト自体の活用意義が骨抜きになり下がった現状があります。文科省も個別の結果発表には消極的な姿勢を示し、道教委もそれに同調している状態です。
2つ目として、道教委には具体性のある指針がないことです。結局、それぞれの学校ごとでの取り組みが大事とばかり日和見を決めています。
公教育がそれぞれの学校単位でも、何らかの対策をするべきでしょう。それを放置しているのはやはり、成績結果発表をしない文科省・道教委の姿勢に問題があるといえます。
さて、本来、何かアクションを起こさねばならない公教育が何もしないなら、私教育はどうするのでしょうか。
きっとここぞとばかり、9月ごろから始まる冬期講習チラシに「北海道の学力テストは…」という文言を90%以上の確率で大手塾は盛り込んでくるでしょう。
では、何か対策をするかというと期待しない方がいいです。結局、危機感を煽って自塾の募集を有利にすることしか考えていないからです。
去年、同様なチラシ広告をうったとき、大手塾は何かしましたか、何もしていないでしょう。大手塾の多くは、公教育での問題点をセールスポイントへ転嫁することしか考えていないのです。
この「全国学力テスト」データは、公教育の場で学力低下に歯止めをかける指針を見つけるために実施するのが本道でしょう。毎年毎年、問題点を叫んでいるだけでは、自民党プロジェクトチームが提言するように廃止もやむを得ないでしょう。
そうならないように、良い活用法を見つけてください。
【雑記】最近気づいたこと
家庭教師先で、本年度に中学校で配布された教科書の裏表紙を見てぶっとびました。次のような変な文がプリントされています。
「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、国民の税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」
小中学生に対して、恩着せがましいのも程があります。そんなこと書く暇があったら、
「この全国学力テストは、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、国民の税金によって無償で実施されています。大切に活用しましょう。」
と行動するのが、文科省や道教委が真っ先にすることじゃないですか?