★稚内高 点検ミスで不合格 受験生1人を合格に
道教委は26日、今月4日に実施した稚内高校全日制(藤田高峰校長)の入学試験で、本来は第二志望の学科に合格していた受験生一人を誤って不合格にしていたと発表した。高校が入学願書の点検不備を認め、受験生の成績が合格水準に達していたため、25日、本人に合格通知書を渡した。
稚内高の受験学科には普通科と衛生看護科があり、この受験生は願書で第一志望を普通科、第二志望を衛生看護科と記入し、普通科で不合格となった。
この場合でも、第二志望の衛生看護科で欠員が生じたため合格できたが、高校が入学願書の第二志望の記入を見落としたため、同科も不合格となった。
この受験生は、二次募集で衛生看護科の受験を希望。出願できるかを中学校を通じて高校に問い合わせ、高校が再確認して見落としが判明した。高校は25日夜、本人に謝罪した。
松浦宣美教頭は「受験生に精神的な苦痛を与えたことをおわびしたい。今後はこのようなことが起きないようにしたい」と話している。
道教委はこの合格によっても、稚内高校衛生看護科の二次募集の募集人員は、24日発表時の11人で変更しないとしている。
出典:『北海道新聞』2009年3月26日付
昨年の帯広三条高校における、合格者受験番号一覧の掲示ミスに続く、高校サイドでの対応の不手際ですね。
こういう話を聞くたびに感じるのが、受験生を受け入れる高校側に、生徒個々の将来や人生に責任を担っているという姿勢の欠如というか、機械的な業務として受検を考えているというというか、とにかく人が関与する温かみが感じられないことですね。
受け入れる高校側や送り出す中学校・学習塾にとってはたかが受験なのでしょうけども、一人の受験生にとっては人生の中の非常に重要な行事なのです。
安易な分析でボーダーラインを設定し、全道の受験生に混乱の渦を巻き起こした大手塾然り、上記の高校然り、もっと生徒本意で教育を考えてほしいものです。
★進学会社長に平井常務 31歳、東証一部で最年少
「北大学力増進会」などを展開する学習塾大手の進学会(札幌)は23日、創業者の平井睦雄社長(59)が四月一日付で代表権を持つ会長に就任、後任に長男の平井崇浩常務(31)が昇格すると発表した。
帝国データバンク札幌支店によると、全国124万社を収録する同社企業概要ファイルのうち、東証一部上場企業で31歳の社長は最年少。
少子化の進行で業界内の競争が激化する中、トップの大幅な若返りで企業の合併・買収や業務提携など再編の動きに対応するほか、現役講師陣との関係を強化し指導力の底上げを図る。
平井崇浩氏は、札幌出身。東大経済学部卒業後の2001年に日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行、05年に進学会入りして常務に就任。なお、社長就任後も引き続き、講師として教壇にも立つという。
また、進学会は従来行っている個別指導部門を独立させ100%出資子会社「プログレス」を4月上旬に設立することも発表した。
出典:『北海道新聞』2009年3月24日付
いずれは社長に就任するというのは、既定路線として受け止めていましたが、早いですね。それにしても、05年に進学会に入社ということですから、いかに創業者のご子息とはいえ、早い出世です。経験、大丈夫ですかね…。
進学会が、これだけ早い世代交代をすすめた背景には、北海道塾業界に関する大きなうねりを敏感に感じた進学会ならではの対応が感じられます。
塾業界は、今や大きな渦の中にあり、年内にも大きな動きが予想されています。早い世代交代の実施により対応力を強化していこうというのは、企業の姿勢として納得できます。
ただ、数年前から進学会の役員人事は、平井睦雄氏時代のたたき上げメンバーから崇浩氏(以下、社内俗称に合わせてジュニアと略)と距離が近いものに置き換わっていましたので、この記事でいう“企業の合併・買収や業務提携など再編の動き”に対する実権は数年前からジュニアの手にあったといってよいでしょう。
昨年度における市新との提携や、こどもクラブ買収に関する交渉は、すべてジュニアの手によるものであったとも言われていますので、こういったM&Aや業務提携、部門の再編などはより一層進んでいくと思われます。
ただし、ジュニアの統率および運営力には疑問符をもつ社員も、内部にはまだまだ多いようです。
未確認情報ですが、昨年度のこどもクラブ買収破綻の原因として、こどもクラブ会長江上壽幸氏に対するジュニアの不遜な態度が、こどもクラブ側の怒りを買ったことも噂されています。
まだまだ、経営手腕としては未知数のジュニアに代替わりを急がねばならない、それだけ塾業界は何か大きな動きが待っているということなのでしょう。
★ナガセ 売上高1,000億円目指すと公表
日本経済新聞3月16日付夕刊紙上のコラム「株価トーク」で、(株)ナガセの永瀬昭幸代表取締役がインタビューに次のように答えている。
当社の株価は現在は2,500円前後で推移しているが、当社の利益率なら最低でも今の二倍以上あってもいい、2009年3月期の連結経常利益は前期比32%増の28億円を見込む。
「東進ハイスクール」が好調。買収した四谷大塚や、イトマンスイミングスクールの運営会社がこれから本格的に寄与する。生徒数も前年比10%増の見込み。
引き続きM&Aを積極的に狙う。また、来期中にインドで理系高校生向けの学習塾を開校する。2012年3月期に連結売上高は1,000億円(今期予想比2.7倍)を目指す。
出典:『全国私塾情報センター』2009年3月21日付
東進衛星予備校(東進ハイスクール)を核とする、(株)ナガセの収益状況は、この不況下でも好調のようです。
ところで、記事中で気になるのは、「引き続きM&Aを積極的に狙う 」という部分です。ナガセ社長がそう発言するということは、すでに目星をつけている会社があるということでしょうね。
現在、北海道の某塾グループは、ナガセから多大な借入金をすることによって運営が成り立っているらしいですから、その最右翼といってよいのではないでしょうか。
いずれにしても、(株)ナガセの活発な経営活動は、ここ1~2年のうちに北海道の塾業界に大きな波を起こすことでしょう。
★春期講習無料、入会金免除…、塾の割引戦争過熱
4月の新学期を前に、札幌圏など道内の学習塾が春期講習や入会金などの無料・割引を打ち出し、生徒獲得競争でしのぎを削っている。少子化と業界内の過当競争で3,4年前から始まった全国的な現象だが、不況の深刻化で追随の動きが拡大。
函館でも母子家庭の子供などを対象にした月謝200円の学習塾が人気を呼んでおり、学力アップと「格安」が、塾選びの重要な判断材料になっている。
無料・割引の動きは、札幌圏や旭川などが中心。①数日間の春期講習会の受講料無料や割引②数日~1か月の無料講座-などが主体で、入会金免除や兄弟割引など多種多様だ。
秀英予備校(静岡)の中津充北海道本部長は「無料講習申込数が2月末で、昨春の受講数を超えた。手応えは十分。」と話す。
複数の関係者によると、塾の無料・割引競争が始まったのは2005年。道内進出直後の同予備校と北大学力増進会を展開する進学会(札幌)が、夏期講習の「ゼロ円戦争」で激突。戦いの舞台はその後、新規申し込みが年間で一番多く、経営を大きく左右する「春期」に移った。
当初は一部の動きだったが、例年数百人の新規生徒を集めていた塾が、無料講習を見送り、「生徒半減」の憂き目に遭う例も。今年は特に中小の塾も含めた無料・割引ラッシュになっているという。
理由は世界的な経済危機による不況の深刻化。学習塾の受講料は年間30~40万円になるため、重い負担に苦しむ家庭が増えた。札幌の四十代の主婦は「中2の長男を塾に通わせているが、次男までの余裕はない。無料はありがたい」と話す。
札幌の現役予備校TANJIの丹治典久代表は「受講料などの免除制度の利用者が前年比6,7割になっている」と説明。道央圏の個人塾も「月謝の分割払いや支払い遅れが出始めた」とこぼす。
一方、週1回の授業で月謝が英語200円、理数500円という函館の市民団体「母子家庭教育支援協議会」運営の学習塾は現在、幼児から高校生まで191人が在籍。1年半前の開塾時から、生徒数は6倍以上増加した。
同協議会の森田実代表は「経済的に苦しい世帯が多く、当初の母子家庭の子供限定という条件を途中で撤廃した」と言い、新年度からは同市内に教室を増設する予定だ。
さらに、4日の公立高入試で登場した裁量問題が難問だったため、業界には追い風との見方も浮上。ある塾の関係者は「価格競争とも相まって例年以上に激しい生徒争奪戦になりそう」と話す。
出典:『北海道新聞』2009年3月8日付
北海道新聞のこの記事に関してコメントしますと、客観的な事実に対し、表面的な取材が多く、額面通りに受け止めると誤解を招く部分が多々ありますね。
まずは年間の塾費に関してですが、学年の記載がないのはおかしな話です。最も費用的にかかる中3生の場合、ある大手塾では月謝が27,000円、夏期・冬期講習費用が各30,000円、その他各種のゼミをすべて受講すると年間60万円を超えるケースもあります。
その塾はもちろん春期無料を打ち出しています。つまり、春期講習でのダンピング分を年間の他月の月謝や各種ゼミ費用に振り分けているだけで、けっして消費者には優しいわけではないのです。記事中の主婦のように短絡的に判断するのは危険なことです。
費用面では、現役予備校TANJIのように兄弟生割引を設定してくれている塾を評価すべきでしょう。札幌圏ではないですが進学塾シード(小樽市)では、兄弟生の月謝は1名分のみと打ち出しています。費用面主体で塾を選ぶなら、年間経費を比較することが大切です。
上記記事の「ゼロ円戦争」を始めた2大手塾は、春期講習の経費こそ安いのですが、年間では60万円近い負担になることを認識すべきでしょう。
では、入試裁量問題による追い風は、どこに吹くのかということです。最近の「北海道の塾考察第2部」の読者反応を見る限り、大手塾にはむしろ逆風というのが適切でしょう。
大手塾は“入試速報番組”におけるボーダーライン設定法の杜撰さから、裁量問題や新制度入試に対する対応力のなさを露見しました。何年間も変えるつもりのない週当たりの指導時間数(5時間程度)の枠がある限り、どういじろうとも期待はできません。
逆に、大手以外の塾ではその対応をフレキシブルに考えている塾も多いのです。たとえば、皆川学習会(函館市)では、すでに中学生の指導時間数を1.5倍にすることを打ち出しています。もともと指導時間数が、他塾の平均時間数の1.5倍である現役予備校TANJIとほぼ同等になるわけです。
こういった指導に対する試みを行う塾には追い風は吹くでしょうが、分析力もなく看板だけで運営している大手塾には逆風しか吹かないでしょう。
ましてや「ゼロ円戦争」において戦略ミスを喫し、この不況下で月額授業料アップを打ち出した練成会グループの経営姿勢には疑問符しかつきません。予想ボーダーラインでの分析力のなさの露呈とも相まって、苦しい経営が強いられるのではないでしょうか。
★平均倍率1.03倍 公立高出願状況 札幌近郊、定員割れも
道教委は27日、2009年度公立高入試の当初出願状況(26日現在)を発表した。全日、定時制を合わせた募集人員42,130人(一般入試の出願期間が異なる有朋高を除く)に対し、出願者は43,569人で、平均倍率は1.03倍、前年度を0.03ポイント下回り過去10年で最も低かった。
石狩管内は今回から従来の7学区が1学区に統合されたが、札幌市内の高校の多くは、前年度に比べ倍率は大きく変動しなかった。ただ、江別、大麻(江別市)、北広島の3校が定員を割り込むなど札幌近郊の受験生が前年度まで学区外だった札幌市内の高校に流出する傾向が見られた。
また、今回から始まった応用力重視の「学校裁量問題」を採用する各地の難関校の多くで、倍率が前年度より微減し、受験生の安全志向がうかがえる。同じく今回から認められた農業、水産高校への道外からの推薦入学には、3校に計11人が出願した。
中学卒業者の減少に伴い、全体の募集人員は前年度から1600人減った。平均倍率は全日制が1.06倍(前年度1.09倍)、定時制が0.59倍(同0.59倍)。
全日制で倍率が1.5倍を超えたのは、普通科が札幌真栄、札幌清田(グローバル)、七飯、鷹栖の4校で前年度より1校減。専門学科は2校2学科(前年度4校4学科)、職業学科は15校23学科(同16校19学科)。道内の最高は旭川工業の工業化学科の2.2倍だった。
全日制で出願者が募集人員を下回ったのは普通科が全体の58%にあたる100校(同94校)、専門学科は3校3学科(同2校2学科)、職業学科は62校93学科(同60校88学科)、総合学科7校(同6校)。
出願変更の受け付けは、28日から2月3日午後4時まで。道教委は変更後の状況を13日、推薦入試の合格内定者が決まった後の最終状況を27日に発表する。学力検査は3月4日、合格発表は17日。
出典:『北海道新聞』2009年1月27日付
札幌圏の石狩1学区化の影響は、巷で予想されたほど大きくはなかったという状況です。東西南北の倍率は、4校とも前年より下がっているか、横ばいですし、旧4学区の北陵高校や市外の北広島・大麻においては定員割れという現象も起きています。
さて、いったいどこに集まったのかというと意外にも、清田・開成などの市立高校なのです。
わりとバランスよい分布状況となったのは各中学校の進路指導がうまくいったと評価すべきなのでしょうが、石橋をたたいても渡らない的な厳しい指導もあり、それが北陵高校の定員割れに結びついたのでしょうね。
なお、出願状況の詳細を知りたい方は『北海道教育委員会』のHPにアクセスしてみてください。
★こどもクラブ買収中止、進学会、税務処理に問題と判断。
進学会は12日、6月に基本合意した幼児教育のこどもクラブ(札幌市)の買収を中止したと発表した。基本合意を締結後、詳細な資産査定を実施した結果、会計処理や税務処理に問題があると判断したため。2009年3月期の業績予想には織り込んでおらず影響はない。
こどもクラブは一歳児から小学校低学年を対象とした幼児教室を道内外で展開。80教室で会員約5000人を抱えていた。進学会はこどもクラブと同社の管理会社、新日本教育(札幌市)の2社を買収し、幼児から高校生までの一貫教育体制を整える計画だった。
買収価格などを決定するため、外部の公認会計士や税理士による査定を実施したところ、2社の会計処理基準や管理体制が、上場会社の子会社としては不十分だったと判断し、買収の中止を決めた。
また同日、教育・人材サービスのヒューマンホールディングス子会社のヒューマンエヌディー(東京・新宿)から進学塾事業を今月一日付で無償で譲り受けたと発表した。ヒューマンエヌディーは2007年、札幌市で小中学生を対象とした学習塾事業を始めたが、業績が振るわず11月末での撤退を決定。学期途中の撤退で児童・生徒が学習する場を失うため、進学会が児童・生徒約100人と教室、講師の一部を引き継いだ。
出典:『日本経済新聞』2008年12月13日付
なんかもったいない決定のようにも思えますが、仕方ないのでしょうね。もともと進学会は塾業界内でも経営的に優良企業として有名です。しかし、最近のサブプライムローン問題に端を発した世界同時株安の影響を受け、財務状態は悪化しているのは11月17日付で掲載した通りです。
その分、こどもクラブの財務状態の悪さがひっかかったというわけですかね。そうすると進学会は、既存のコース設定で中学受験などへの対応コースを構築できるかが課題です。狙っていたはずの幼小中高一貫体制を自社のみでできるのか、今後も注目しましょう。
★河合塾、中学受験事業を拡大、日能研と
予備校大手の河合塾(名古屋市)は中部圏で中学受験事業を拡大する。学習塾大手の日能研(横浜市)と共同出資して設立した日能研東海(名古屋市)の校舎を2011年までに10校舎増やす。大学受験を主力としてきた河合塾は、中学受験事業の強化に本腰を入れる。
現在、日能研東海の校舎は名古屋駅前校(名古屋市中村区)と千種校(同千種区)の2校舎。愛知県では私立中学校受験者数が年々増えており、「2校舎の無料テストに予想を上回る3千人の参加があった」(野田幹人日能研東海社長)。
県内の他地域でも需要は大きいとみて、まず来年2月にトヨタ自動車グループなどの社員が多く居住する刈谷市、豊田市と名古屋市の1社(名東区)、御器所(昭和区)で計4校舎を新設する。その後の2年間で、愛知県以外での開校も視野に既存校を含め12校まで増やす。
校舎新設に伴い、講師も増員する。常勤、非常勤含め各校8人程度の採用を目指す。学校別の対策講座も開設し、受験生の希望にきめ細かく対応する。名古屋駅前校と千種校では今秋、東海中学(名古屋市)と南山中学校(同)など向けの講座を開始した。
日能研は中学受験専門の学習塾最大手。河合塾は中部地域で中学受験事業を展開してきたが、今後は河合塾と日能研のグループがそれぞれ65%と35%出資する日能研東海を通じて事業を運営する。現在の受験コースの募集は今年で中止し、受講生は卒業まで続けるか日能研東海に転籍するかを選べるようにする。
中部では最近、伝統的に人気のある公立校のほか、中高一貫校の海陽学園(愛知県蒲郡市)や滝中学校(同江南市)、東海中、南山中など私立校への入学志望者も増えている。河合塾によると愛知県の私立中学校への志願者は08年度入試で1万2千人と、4年間で約2千人増加した。
中学受験産業も活発になりつつある。日能研と同様、首都圏で学習塾「サピックス小学部」を展開するジーニアスエデュケーション(東京都)は中部でまだ開校していないが、「将来は校舎を設立する可能性もある」(同社)。
河合塾が主力とする大学受験は、少子化の影響で受験生が減少し市場が伸び悩んでいる。一方、子供一人あたりにかける教育費が増えていることから中学受験は活発になっている。河合塾は中学受験のノウハウが豊富な日能研と組むことで、中部で需要を取り込む。
出典:『日本経済新聞』2008年11月21日付
中部圏とはいえ、予備校と学習塾の提携が本格化してきたことを告げるエピソードでしょう。いわば、私教育業界の2極である塾と予備校が手を握ることは、業界内のバランスが大きく変化することになるような気がします。
ただし、需要のある地域のみでの展開と言えるのではないでしょうか。上記の記事のように、河合塾と日能研が北海道で提携するのはほぼ0%の可能性でしょう。
それは、他の私教育企業でも同様です。北海道は、他の地域から比較すると、小学生と高校生の塾依存率が極端に低いためです。
北海道の塾では、進学会が市新との提携を進めていますが、こどもクラブ買収に関しては少々頓挫しているような状況です。
秀英予備校は、東日本学院の買収、福岡進出(九大ゼミを買収したさなるへの対抗策)など、全国に指導エリアを展開する動きをしています。しかし、北海道進出は不発であったが故のあがきのような気がしてなりません。
ただし、進学会や秀英予備校は、率先して提携やM&Aに動いている分、業界の流れをつかんでいるので、まだまだ存続していく企業といえるでしょう。
練成会グループに関しては、あまりにも北海道にこだわりすぎですので、将来的に他企業から買収される可能性もあります。例えば、(株)ナガセあたりが子会社化するプランなども絵に描いた餅とはいえない気がします。
★来春から教科書厚く 検定基準を大幅に緩和へ
文部科学省は12日、小中学生が使う教科書について、検定基準を大幅にゆるめる原案を審議会の作業部会に提出し、了承された。学習指導要領の枠を超える「発展的な学習内容」について、これまでは運用上「義務教育は1割、高校は2割程度」を上限としてきたが、この制限を外す。来年度の検定から適用され、将来は今より分厚い教科書が登場しそうだ。
了承したのは、教科用図書検定調査審議会(検定審)の作業部会。「記述内容が質・量ともに格段に充実するため」の基準見直しを掲げ、改善点を例示した。
今の検定基準では、発展的な学習内容は「分量は適切であること」と条件が付けられているが、原案は制限を外し、「例外的だった扱いをより積極的なものに変える」(教科書課)としている。
「不必要なところはないこと」「程度が低過ぎるところはないこと」といった基準も見直し、例えば小学校の算数の内容を中学校の数学で取り上げられるようにする。「他の教科の内容と不必要に重複しているところはないこと」という基準も変え、抑制的な表現を見直す。審議会本体で年内にまとめる予定だ。
出典:『朝日新聞』2008年11月12日付
「失われた10年教育編」の取り返しに奔走する文科省の姿勢が色濃く反映した政策でしょう。
取り組み自体はいいことでしょうが、学校教育の現場でどこまで取り入れた指導を行えるか、私は懐疑的です。
現行の学習指導要領の内容というより、指導時間枠がかなりの障害になることは予想されます。たとえば、選択教科や総合学習の時間をそういった発展的な内容の指導時間に振り分けるなどの工夫がどれだけできるか。
また、すべての生徒に必要と判断しない学校と積極的に取り入れる学校の格差も大きくなるでしょう。
具体的に指摘すると、北海道のように公立受験主導の地域では、そこまで必要としないと判断される危険性が大です。
運用に関しても何らかのガイドラインを設定しなければ、せっかくの試みも無駄になるのではないでしょうか。
★秀英予備校の今期、純利益4600万円、予想を下方修正。(2008/11/8)
秀英予備校は7日、2009年3月通期の業績予想を下方修正した。純利益は前回予想より1億9000万円少ない4600万円、経常利益は2億5200万円少ない2億4800万円。売上高は4億7600万円少ない40億4100万円とし、前期比2.7%増を見込む。
夏期講習の受講者は小学生や中学一・二年生で計画を上回ったが、受講料単価の高い中学三年生の申し込みが振るわなかった。
★決算から 4~9月、秀英予備校、中学3年生減り最終赤字。(2008/11/11)
秀英予備校▽62億2800万円(―)▽▲4億4100万円(―)▽▲2億9900万円(―)
=夏期講習で小学生から中学2年までの受講者は増えたが、単価の高い中3生が減ったことなどが響き、経常、最終赤字。前年同期は単独決算のため、比較は公表せず。
★進学会、株安で大幅下方修正。(2008/11/8)
進学会は7日、2008年4~9月期の最終損益の予想を2億9500万円の赤字(前年同期は1億5900万円の黒字)に下方修正した。従来予想は1億7700万円の黒字。保有する仕組み債や株式などで有価証券評価損5億7600万円を計上。2009年3月期通期の最終利益も従来予想を6億円下回る1400万円に修正した。
※出典は全て『日本経済新聞』
東証1部上場の道内大手塾は、軒並み2009年3月期通期の業績を下方修正したということですね。
秀英予備校に関しては、中3生の募集業績の不振が響いているということですから、2009年春の合格実績に関しても改善はほぼ望めないといってよいでしょう。
つまり、「実績のない塾=信頼できない塾」という評判が定着する可能性が高く、一層集客のために姑息な割引作戦に拍車がかかるのではないでしょうか。
いつまで、こんな意味のない運営が続くのか、それだけ秀英予備校には体力があるのか、注目します。
一方、進学会に関しては、2008年度株価最高値520円から310円程度まで下落しています。まあ、株価下落だけが業績不振の原因とは思えませんが、3月期通期の最終利益予想1400万円というのもひどいものですね。ただ、進学会が無策で行動するとは思えません。水面下で何かを画策しているように感じます。
なお、進学会に関しては、下記のように新人事も公表されています。(10/02付)
▽北北海道ブロック代表代行、村上浩一
▽八戸本部長(前北北海道ブロック代表旭川本部長)秋葉龍顕
▽一宮本部長(前桑名本部長)井村巨樹
▽つくば本部長(前福井本部長)岩佐政秀
▽福井本部長(前松阪本部長)吉村大輔
▽桑名本部長、佐藤暢展
▽松阪本部長、今井亮
▽津本部長、厚谷義博
▽富山本部長、竹山正輝
北海道関係では、旭川本部長(兼北北海道ブロック代表)に着任した村上氏に注目しましょう。当HPで把握している限り、札幌西・松本などの業績不振の本部の黒字化に成功し、執行役員まで勤めた逸材のようです(S62年入社組NO.1の誉れが高い)。
村上氏の旭川着任に関しては、本部内の統率強化という狙いがあるとの情報もあります。アルバイト学生レベルでも、その辣腕ぶりはすでに評価されているようです。
まあ、このような人事も含めて、進学会はかなりの巻きなおし策に出るのではないでしょうか。
久しぶりに更新です。更新が滞った大人の事情は……、察してください。
★授業分割 学力アップ 福岡・梅林中 1コマ25分 集中力持続
学力の二極化が深刻化するなか、福岡市城南区の梅林中学校(田村茂校長、374人)が一部の授業で1コマ50分を半分にする短時間授業に取り組んでいる。
生徒の集中力を保つとともに、増えたコマを割り振って主要教科をほぼ毎日設け、基礎学力の定着を目指す試み。理科の実験では、分割分を足してゆとりを持たせるなどメリハリもつけた。
文部科学省によると2分割授業は全国的に珍しい取り組みで、学校側は学力がアップしたと説明している。
■主要教科 ほぼ毎日学習
1年の教室で、授業開始のチャイムの少し前に数学が始まった。生徒は教諭の計算問題に答え、方程式を解く。開始から25分。教諭が授業を切り上げると、代わりに英語教諭が入室。終了のチャイムまで単語学習やリーディングを進めた。
短時間授業は昨秋導入した。全国と同様、学力の低位層が増える傾向があり、集中力が続かない生徒もいたため、それぞれ週3コマだった1年の数学と英語の1コマを半分に分割。増えたコマを授業のない日に回して各週4コマにし、基礎内容の反復学習に充てた。
一方で、2年は、数学の1コマを25分授業にして理科実験に充当。75分あると3つの実験も可能で、失敗してもやり直しがきく。穴田篤志さん(14)は「ゆっくり学べて、化学式も覚えやすい」と話す。
学校のアンケートに、生徒には「授業の進み方が遅い」などの意見もあったが、6割は評価。「50分授業は飽きることもある」と言う2年の東歩佳さん(14)のように、多くは集中力が増す効果を実感している様子だ。
9月に実施された民間主催の5教科テストで、同校2年の平均点が福岡県の平均を上回った。1年前よりその差が拡大し、学校側は学力向上の手応えをつかんでいる。
同省によると、このような時間割の弾力的な運用は「モジュール学習」と呼ばれ、取り組んでいる学校はあるが、1コマを2分割する試みは「聞いたことがない」(教育課程課)。福岡市教育委員会は研究指定して効果に注目する。
同校教務主任の古賀成幸教諭(48)は「時間割作成は大変だが、生徒が分かりやすい授業をさらに進めるため改善を加えたい」と話している。
出典:『西日本新聞夕刊』2008年10月24日付
学習塾の指導時間が、60分や80分、長ければ100分が主流となり、1コマの長時間化が進んでいる私教育の立場から考えると、初聞では「なんじゃそりゃ!」と感じるのではないでしょうか。
しかし、よくよく考えてみるとキレやすい現代っ子の集中力が長時間持つはずはないでしょう。それゆえに、長時間指導の塾では、終了時間の告知をしないで集中させようとする無謀な方針をとるところもあります。
現に「いつ授業が終わるか」わからせないように、大手塾では教室に時計を設置していないところもあったりしますから。
指導時間が短いことは、生徒主導で考えれば、集中力を持続させやすいことにつながるといってよいでしょう。理には叶っていますし、現に成績向上につながっているのですからよい試みです。
このような工夫のできる福岡梅林中の先生方には、無条件で称賛を贈ります。
と同時に、学力低下が叫ばれる中で無策の北海道!すこし検討してみてはどうですか。
あと、私教育にも苦言として、長時間化の功罪を考えてほしいものです。授業を長時間化するのは、ほとんどが時間割作成上の経営効率の問題です。講師の配置上、週に何回もその教室に派遣できないという理由から1コマを長時間化するのはいかがなものでしょうか。
道内の大手塾でもさすがに最近は減りましたが、1教室分しかスペースのない会場がかつては多数存在し、週3回:各2時間の指導を1教科ずつ割り振っていたことを思うと、この梅林中の試みはとても新鮮です。
「いえ、私達の塾では1コマを細かく区切って指導しますから問題はありません。」
という反論をするなら、短慮としか言えないでしょう。
同じ教科が続くことには、結局変わりはないからです。生徒が頭を切り替えるには、指導教科も変わった方がいいのではないですか?
塾講師の中にも、細切れの指導には嫌悪感を持つ者がいるといいます。それは、指導マニュアルが長時間授業を基本に構築されている弊害ではないでしょうか。
もっと生徒本意で、時間割やカリキュラムを考えることも私教育には責任があるのではないでしょうか。