どうも、“夜スペ”について考察すると、「道内学習塾の生き残り戦争」みたいな1本の大木のような論点になりませんね。困ったもんです。
私を憤らせて寄り道をさせてくれるのは、日々更新されている反対論者の「反対するためにどういう理由や言い訳をするか」というレベルの低いブログや記事が氾濫しているからです。
反対論者の論点は、大まかにまとめると次のようになります。
(1)和田中校長藤原氏が民間(リクルート社)出身で教育現場を分かってない
結論を先に言うと「論外!」ですね。「吹きこぼれ」対策として入会テストを伴うコースとして“夜スペ”を始めた事がいかんというわけです。
藤原校長が“夜スペ”以前に「学校寺子屋」という補習システムを立案実行していたのはご存知なのですかね。民間企業を知る者には、教員社会の温さには反吐が出るほどの嫌悪を抱くものが多いのは事実です。
すなわち、教員社会に任せていたのでは「落ちこぼれ」も「吹きこぼれ」も永遠に救済できないことを実感した上での行動であったといってよいのではないでしょうか。もし、教員が疑念を持って改革を考えていたなら、このような問題は20年以上前にすでに解決しているはず。
藤原校長が教育現場を知らないというのなら、教員は競争原理の成り立つ社会を知らない愚民集団であるというだけでしょう。百歩譲って言うなら、教員に教科指導力を身につけさせられない文科省や日教組の対応に問題があります。
(2)入会テストがあったり、授業料があるのはおかしい
「学校寺子屋」においては、1000円程度の教材費のみですべての希望者に補講を行っているのに、“夜スペ”では入会テスト合格者のみに18,000~24,000円の授業料をとる指導を行うことがおかしいということですかね。
まずは、入会テストの必要性からいうと、必要です。塾と中学校の指導の大きな相違点は、学力レベルに合った指導を提供するか最大公約数の指導をするかという点でしょう。
そもそもSAPIXがどのような塾かをご存知なのでしょうか?この塾は補習塾ではありません!北海道の大手塾に見られるような中学校指導の補完を目的とした低レベルの塾ではないのです。
SAPIXの通常コースでは、中学3年間の学習内容を2年で終了させるカリキュラムをとっています。残り1年で様々な応用力を身につける指導を行うのです。また、この塾のテキストはかなりの練度で、原則1授業で1冊が配布されるシステムをとっています。
「高校への数学」という数学講師のバイブルとも言うべき雑誌をご存知ですか?この雑誌の記事は何名かのSAPIX講師が執筆しています。これだけでもSAPIXの指導力が類推できるはずです。
つまり、その指導を受けるだけの素養が生徒にあるかどうかを見極めることが必要になるため、入会テストは必要になるわけです。今の“夜スペ”の問題点をいうなら、もう少し学力別のクラス分けを細かく設定できればよいのでは?とも言えますが、それは今後解決される問題でしょう。
授業料に関しては、破格に安いと思いませんか?SAPIXの通常コースなら50,000円はするでしょう。いかに学校施設利用で光熱費を免除されているとはいえ、この金額は採算ぎりぎりもいいとこ。「でも儲けているんじゃないか!」と非難する人たちは、民間企業を知らなすぎです。民間企業は、将来的に大きな利益を生まないと分かっていることには投資しません。また、“夜スペ”に対する教材は、わずか11名の生徒のためのオーダーメイドです。こんな無駄は、営利だけを求める企業ではあり得ません。
SAPIXの今回の取り組みは、教育を通じた地域貢献としての行動に過ぎないのです。現状の教育を憂慮して「自分たちにできることは何かないか。」という発想のもと、各中学に放課後授業企画DMを送ったわけです。それに素直に反応したのが和田中の藤原校長であったというだけのことです。
はっきりと申し上げますが“夜スペ”は企業の求めるレベルの利益が生み出す活動ではありません。この活動ができるのはSAPIXに体力があるからです。1企業の慈善的な活動を否定する方々は、他の塾の営利主義のひどさをもっと知るべきでしょう。
ちなみに「“夜スペ”はSAPIXにとって良い宣伝になった。」と考えている方々へ。あなた方が変に騒ぎすぎたから“夜スペ”が大きな話題になったのです。早い話、SAPIXの宣伝をしたのはあなた方です。
(3)公共施設を営利団体である塾が利用するのはおかしい
“夜スペ”が初めてのケースだと思っているのですかね。私の住む北海道では、公立高校(札幌圏有数の進学校)が、夏休み・冬休みに大手予備校の講師による講習を実施していますが、その件での非難は聞いたことはないです。また、北海道には十勝管内の一部町村で、公営機関が学習塾を運営していたりします。
「それは田舎だからでしょう!」と非難するなら、東京の例をあげましょうか。港区の一部の中学校や江東区の全中学校では、塾講師による特別講座が区の支援を受けて実施されているのはご存知でしょうか。和田中は、区の支援を受けていませんね。「公共施設を営利団体である塾が利用するのはおかしい。」というのなら、港区・江東区の区政を訴えるのが先じゃないですか。塾に公的資金を投入しているのですから。
逆に、公的支援を受けていないからお礼程度の月謝を受け取っているのでしょう。支援があれば、もっと安く、そしてもっと多くの生徒に受講させられますよ。
(4)和田中校長が入札をせずにSAPIXに委ねたのがおかしい
これも結論を先に…「論外」です。そもそも企画したのはSAPIX、他塾はそのような考えなどなかった。つまり、入札自体が成立するわけがなかったのです。他塾に声をかけるより、まず行動することが大切だったのではないでしょうか。
(5)このような活動は教員がすべきでないか
前述のように、教員にできるのなら20年前に確立していますよ。できないから、こうなっただけにすぎないのではないでしょうか。
もし、志の高い教員がいるならSAPIXの指導ノウハウを吸収することを考えてはいかがですか?受講した生徒たちからは「知的好奇心をくすぐる授業」として評判ですよ。