(3)東京都に続くのはどの道府県か?
他の地方公共団体はともかくとして、大阪府は“夜スペ”を評価し、池田市において2学期から導入するようです。以下の記事をご覧ください。
大阪府池田市教委は、塾講師による有料の夜間塾「夜スペ」や教員志望の大学生による補習「土曜寺子屋(ドテラ)」で知られる東京都杉並区立和田中学校にならった教育改革を検討している。2学期にもモデル校1校で先行実施する予定だ。
和田中の夜スペは、進学塾と契約し、学校の授業に加えて自発的に学びたい生徒に、塾講師が放課後などに校舎で教える。池田版は、保護者や地域に住む塾講師らが教え、無料とする予定だ。
また、授業に遅れがちな生徒向けのドテラや、世の中の仕組みを学ぶ「よのなか科」の導入も検討する。将来的には市内の5中学校すべてで取り組む考えだ。
一方、大阪府の橋下徹知事は、和田中の藤原和博・前校長(52)を、教育分野の助言役として迎えることを明らかにした。
橋下知事は地域住民を巻き込んで学校を活性化させる手法に関心を持ち、6、7月に藤原さんと2度会い、指南役になるよう求めた。藤原さんは朝日新聞の取材に「大阪は学校と地域のつながりが割と濃く残っている。学校に世の中のエネルギーを取り込むことで、学力を向上できれば」と話している。
出典:『朝日新聞』2008年8月4日
ほとんど記事の紹介で終わるかも知れない今回ですが、まず橋下知事の発想に拍手を送ります。
大阪府といえば、財政再建団体入り一歩手前で、緊縮財政の急先鋒(悪く言えばケチ)が橋下知事が、このような英断をするとは思いませんでした。さすがに民間の血を引く知事だけあって、公教育と私教育の間に垣根がないことをよくご存知です。
藤原氏の助言をもとに、良い方向に進めばとエールを送ります。
しかし、池田市の発想は、ちょっと方向性が違いませんか。これでは単なる「放課後補習」でしかありません。まあ、学校教員が補習対応をしない分、他のものに任せるというのはよいでしょう。
なぜ、そこに塾の力を全面的に借りないのでしょうか。塾以外の者が担当するクラスと塾講師が担当するクラスでは、指導に差が出てしまいます。いわば、差別です。
学力別にクラスを設定しようと、ほぼ同等の教務力のある講師が指導してこそ平等でないでしょうか。中途半端な導入をするよりも、全面的に塾講師で指導するほうが、生徒にとってもよいことでしょう。
ただ、このように何らかの改革をしようとする姿勢は評価に値します。
もっと問題なのは、学力低下を認識しながら何もしない自治体です。たとえば、全国学力テストの下位に沈む北海道は、無策のままでよいのでしょうか。
確かに、担当しうる志ある塾は少ない地域ですが、それでも何か考えることはあるはずです。
教育は、生徒のためにある。大人はそれを良質にする義務がある。それが私の主張です。決断さえあれば、すぐできることなのですから、北海道には前向きな検討を望みます。