私の中3生の教え子が、8月の北海道学力コンクールを受験してきましたので、解き直しの指示を出しつつ問題をじっくり眺めさせて頂きました。
今回の道コンでは来年度公立高校入試より導入される「進学校向け選択問題」に対応した問題を取り込んできたのが、新しい試みです。試行錯誤の上の導入なので未完成な部分があることを割り引いても、「?」と感じましたので、報告がてら記載します。
(1)今回の新機軸実施の背景
本来ならば、別項目で解説する内容なのですが、HP改編作業の関係でこちらに「道教委」の発表を掲載します。
道教委は、来春の公立高校入試の国語、数学、英語の3教科で、全道一律の問題とは別に難易度の高い問題を用意し、各校が裁量で選択できる制度を導入する。上位校を中心に「受験生に差が付かず、本当の学力をみることができない」との要望があったため。上位校を中心に導入する見通しで、10月初旬に実施校を公表する。
道教委が学習指導要領の範囲内で問題を作成。大問4、5問のうち1問を、知識を問う平易なものから応用力を重視したものに替える。配点は15~20点(満点60点)となる。理科、社会は出題領域に偏りが出る恐れがあるため除外した。選択制度は大阪、宮城、秋田など6府県が、数学と英語の1~2教科で導入しているが、3教科は初めて。
【毎日新聞 2008年6月24日 北海道朝刊】
(2)北海道学力コンクールにおける対応
①実施教科と出題形式
●上記にある国語・数学・英語の3教科において採択。大問のうち1つを難度の高い設問として設定。⇒国語:3番、数学:5番、英語4番
●配点は各教科とも20点前後に設定されている。
●選択問題ではなく、すべての生徒が解答する必修問題として出題されている。
選択問題実施校ではない公立高校を志望する生徒にも、受験を強いる必修問題としたのは、道コンのデータ処理が煩雑になるというのが理由と考えられます。悪く言えば「大人の事情」を受験生に強いたテストであったといえます。
選択問題を必要としない受験層が全体の6割強は受験しているであろうと考えれる模試において、このような出題をするのは中堅以下の学校を受験する生徒を切り捨てた設定でないでしょうか。そのような生徒たちにとって、正確な合格判定ができなくなることを全く無視しています。
更に、入試直前となる1月・2月模試においてこのような形式をとるのであれば、正に独占市場状態における進学舎の驕りとしか思えません。出題形式を選択問題へと変更するのは当然の処置でしょう。次回以降の改善を要望します。
②出題内容について
●国語は、小説文。英語は、解説文として出題。両教科とも一部の設問の難度が極端に高くなっている。
●数学は、空間図形を切断した時の体積。円内にある条件にそって弦を引きくわえたときの区画の数に関する問題が出題。
数学について論評すると、空間図形に関しては指導要領を超えない範囲での出題のため大きな問題はありません。しかし、円の問題は、高校数学の順列・数列の概念をもとにした内容のため、現中3に出題すべき設問ではないでしょう。
作問時でのチェック体制の不備を露見した出題であったといえます。
今回受験した中3生の皆さんには、「お疲れ様でした。」というねぎらいの言葉を捧げます。大人の試行錯誤による悪問につきあって、大変だったでしょう。
進学舎スタッフは、このような早急な駄作ではなく、もっと研究された内容で出題することが受験生への義務です。改善を望みます。