(1)出題レベルの設定
中1~3の目標平均点は170/300点、各教科でいうと34/60点にほぼ設定されている。得点だけでみると北海道公立高校入試と同レベルである。
ただし、入試は全道の中学生の90%以上が受験するが、北海道学力コンクールは中3で30~40%、中1~2は20%未満であることを忘れてはいけない。北海道学力コンクールは基本的に成績が中の上以上の生徒が受験して、入試とほぼ同じ平均点となる。つまり、かなり難易度の高いテストということである。
結果的に素点だけで判断すると、入試の学力点よりも低く算出されるケースがあり、事務局から送られてくるデータ帳票を見ないとより正確な判定はできない。
また、このテストを実施する塾としては、夏期や冬期の短期講習授業を受けてレベルアップしたことを数値(素点)で知らしめ、塾への入会へとつなげる意図がある。しかし、現状の出題レベルでは、講習前に実施するテストより素点が下がる生徒が多く、その効果は期待できない。
※練成会グループ(札幌セミナー以外)が中1・2で北海道学力コンクールを実施しないのは上記の事情による。地区平均点が比較的高く、競合他塾の多い札幌セミナーは北海道学力コンクールを実施している。
(2)出題内容の設定
基本的に学習したすべての内容が試験範囲となっているが、参加塾への配慮か、中2での中1内容の出題比率は低い。例外として、中3の11月模試のみ、学力テスト総合Cに準拠している。
マクロ的な視野で出題範囲を設定しているので、各塾の講習重点学習内容とは合致しないことが多い。繰り返すが、短期講習の成果を試す試験としては不適である。
また、教科によっては入試レベルをはるかに超えた問題が出されるケースもあり、問題作成段階でのチェック体制が不充分と考えざるを得ない。問題作成は、(株)進学舎と個別に契約した作成スタッフによって行われているが、内容チェック等はほぼ作成スタッフ任せになっている現状がある。
(3)独占状態の模試市場
加盟塾が900以上ということもあり、サンプル数が多いほど精度が増す受験模試としては申し分ない。ただし、北海道内存続の唯一の公開模試(増進会・秀英を除いて)となったため、ほとんどの塾が道コンを頼らざるを得ない、いわば独占状態である。北海道学力コンクールを受けないと進路指導ができない塾が多数存在し、塾単位での分析力の低下を招いている。
学校現場においても、北海道学力コンクールの影響力は大きい。北海道学力コンクールのデータ帳票をもとにして進路指導をする情けない教員も多数存在している。これは、中学校で実施する北海道教育文化協会製『学力テスト』の得点集計を学校単位でしか比較できない事情による。
このような文科省の対応が、中学生の北海道学力コンクール受験促進へと働いているのは皮肉な結果と言わざるを得ない。
私は、かつての『全道統一模試』のような別系統の模試の必要性を感じる。選択の余地がない今の現状では、問題レベル・データ処理に企業の独善性が反映されやすいためである。高校生のように、多数の模試を受験できる環境であれば、模試運営各社がしのぎを削って質を高める事をできるはずである。