家庭教師先の生徒に入試直前の問題チェックとして“道新受験情報”の予想問題を解いてもらった時のお話です。
1月に発行された“道新受験情報”入試直前号は、最終的なボーダー予想と演習可能な入試予想問題がついた冊子なのです。ただ、受験情報のみが必要な僕としては、春号と秋号さえ買えばあとは不要という判断で、今まで買ったこともなく、今回初めてじっくりと活用してみました。
予想問題は、進学舎(北海道学力コンクール事務局)と練成会グループ(札幌セミナー)の競作になっていて、それぞれの入試に対する見解が比較でき、生徒とは違った視点で楽しませてもらいました。
さて、予想問題らしかったのはというと、進学舎(北海道学力コンクール事務局)作成のほうです。2008年度に実際に行われた模擬試験では、さまざまな試行錯誤があり、なかなか良問ぞろいとはいえなかったのですが、予想問題はとても素晴らしかったですね。レベル的にも、過去問を解いた生徒の得点と大きな開きはなく、扱いやすかったです。
また、理科と数学を中心に見たのですが、今年度の出題傾向として可能性の高い単元をチョイスし、まさに予想問題としてうってつけでした。
進学舎がこの作問レベルを保つなら、次年度の模試においてさまざまな改善点さえクリアーすれば、北海道の模試として、生徒本意の視点で実施できるでしょう。
対する練成会グループですが…、まるで使いものになりません。例えば数学の学校裁量問題を大問1に設定するという無知な作りをしています。学校裁量問題は、配点でいうと15~20点分と設定されているのですが、大問1(小問集合問題)は、元来24~28点分の配点がある問題です。
どう好意的に考えても、ここに学校裁量問題が設定される事はありえないでしょう。
また、大問4に設定される図形の証明も「合同」でした。「合同」と「相似」が隔年出題されやすい北海道の入試傾向から考えれば、出題意図に首をひねります。
また、理科や社会でもH20や19年に出題された題材が多く取り込まれ、すこしでも塾で指導している方であれば「今年はこんな題材の出題可能性は10%前後!」と言い切れる内容ばかりで構成されています。
さらに、問いの文体も北海道公立高校入試の独特な言い回しを再現せず(進学舎版はもちろん再現しています)、各教科の作成者(各教科主幹)の実力には疑問符が付く問題のオンパレードでした。
正直に申し上げまして、進学舎のテストをコケにしてまで離脱した塾の作成レベルがこの程度かと思わせる問題を道新は掲載したわけです。
データに関する課題はあれど、進学舎の問題レベルはそれなりのものを保てるだろうと今回の冊子で確信しました。今後とも、進学舎には頑張って頂きたいとエールをお送りいたします。
と同時に、練成会グループには真に受験生のことを考えているのか、疑問だけが残りました。この冊子を買う方々が、どういう意図で活用するのか、よく考えていただきたいですね。
道新さんも、大広告主ということだけで練成会グループに媚を売ると、売れない雑誌を作るだけですよ。少なくとも、僕はそう感じます。
中学生模試に関する私の本音としては、高校生の模試のように予備校各社が主催するものを複数受験する機会がある方がよいと考えています。
高校生の模試の場合、代ゼミや進研模試はやや易しめ、全統模試が中レベル、駿台がやや難しめというようなレベル分けができているのも一つですし、高校で複数の模試を受験できるのもよいきっかけとなっていると思います。
しかし、道内の中学校においては“北海道文化協会”作成の「学力テスト」以外は受験することはできないのが現状です。10数年前の「業者テスト問題」さえなければ、もっと違ったことになっていたのではと感じます。たとえば、道コンを中学校単位で受験できれば……、なんて考えたりもします。
しかも、「学力テスト」自体、各中学校での実施回数が極端に減ってきています。私が中学3年生のころは、年間で10回もの学力テストを実施していましたが、今では総合ABC以外に4月あたりに1回実施する程度と、かつての4割程度しか実施していません。
学力テストが多いと教育現場がじっくりと指導出来ないというのが言い訳のようですが、テストとは、生徒に学習のきっかけを与える存在として考えると、その論法には単に楽をしたい北教組的な発想が色濃く反映していないでしょうか?
だから、進路指導で指標がなく、ちょっと昨年度より難しくなっただけでまともな進路指導ができない教員が多いのでしょう。もちろん、学校単位でしか得点結果を集計できない現状が原因になっているのも悲しい事実です。
それならば、全道のできるだけ多くの生徒が受験する模試が存在した方が生徒のためになるのでは、と考えてみたほうがよいでしょう。
現時点での最良の方法は、各塾の模試を1本化することと思います。秀英予備校も増進会も練成会も道コンを実施するとよいのではないでしょうか。
この考えは、かなり荒唐無稽のように感じる方も多いでしょうが、意外に各社にメリットがあるのです。
秀英や増進会の講習費用をみると、テスト代は別途となっていることに皆さんはお気づきでしょうか?その理由は、明らかに道コンの存在です。中学生の模試価値観には、道コンがかなり大きな評価となっているのは紛れもない事実でしょう。
つまり、道コンを受験できない塾というだけで講習募集にはマイナス要素が働くのです。そのため、秀英予備校も増進会も、自社テストの実施日を道コンの標準実施日に合わせています。道コンを受験したい講習生に対応できるための措置です。
ここで、実施模試を道コンにスイッチした場合、模試の違いというマイナス面が解消できるのです。ただ、自社模試の放棄というのに2社は抵抗を感じるという考えもあるでしょう。
しかし、自社模試を実施している他塾でも、道コンに参加しているケースは現に存在しています。栄光ゼミナールや能開センターがその例です。秀英に関しては北海道での覇権を奪取するためにその選択をしてもメリットはあるでしょう。
増進会は、北海道大手塾の古参であるプライドもあるのでなかなか踏み切れないかもしれませんが、最近の他社との提携や合併から判断すると、それほどの障害はないでしょう。むしろ、講習募集へのプラス効果が見込まれますから。
道コンを主催する進学舎は、以上の2社への営業活動を実施する発想があれば互いのメリットを認識させるのはそう難しくはないと思えます。しかも、この2社が参加すれば、練成会も参加せざるを得なくなります。結果として、大手3塾はすべて道コンを受験する道を選ぶでしょう。
大手塾の教務スタッフが道コンに参画することにより、問題の質的向上も見込まれますし、独占的な模試市場を確保する進学舎も全道の生徒の6割以上が受験する一大模試を主催できるので、メリットは大きいでしょう。
結果としてより精査されたデータを受験生に提供できるのです。
ただ、実現にはかなりのハードルがあるのは事実でしょう。しかし、進学舎が北海道の生徒の将来を真剣に考えて行動するなら、不可能ではありません。今まで参加していなかった2社への営業活動を開始すべきではないでしょうか。
この案には、デメリットよりもメリットが多く存在すると各社が認識して、判断していただければ北海道の中学生が安心できる模試市場ができるのではないでしょうか。
こんにちは、新管理人の安達です。藤井からのバトンタッチはどこでしようかと考えていました。そこで更新度の低いここからスタートしてみようと……。
先日、ある地域塾の塾長さんとお話ししたのですが、そこで話題になったのが11月3日実施の北海道学力コンクールのことでした。今回の総受験者数は9,167名でうち石狩管内は5,969名です。つまり、石狩管内以外は3,000名程度、道コン自体がもはや石狩以外の地域の進路指標にはならないレベルになっているのです。
その塾長さんも「判定基準が甘すぎる!」と述べていましたので、深刻な問題として各地区とも受け止めているようです。
その原因は言うまでもなく、札幌セミナー以外の練成会グループが離反したことによるものです。離反によってその判定精度が著しく低下していることは言うまでもありません。
ただ、マイルストーンと称する各塾に配布される受験データ冊子には練成会グループが協力する可能性も残されていますので、その状況は来年3月以降の動きを見て判断することが妥当でしょう。
ただ、このような綱渡り的な模試運営では、受験生に直接的な被害が及ぶ可能性もあります。抜本的に模試のあり方を考える時期に来ているのではないでしょうか。
方向性はいくつかあります。
(1)大手3塾実施の模試、道コンに加えて第5の極とも言うべき模試を立ち上げる必要性があるのではないか。
(2)進学舎が練成会グループに働きかけ(大きく譲歩して)、再び以前の体制に戻すことも必要ではないか。
(1)がある程度理想的なのですが、立ち上げる組織がなかなか存在しないのが現状です。(2)も簡単そうに見えますが、進学舎と練成会グループの溝は思いのほか深いようなのです。
そもそもなぜ、練成会グループは道コンから離反したのでしょう。1つは道コンの問題レベルと練成会グループの思惑が一致しなくなくなったことを上げることができます。ひところ(1995~98年頃)、道コンの原稿チェックを練成会グループがしていた時期がありました。作問内容への注文をつけて、練成会グループの思惑に沿ったテストにしようとする意図だったのですが、結局事務局の主張もあり、結果的には不調でした。
講習後の入会に結び付けたい練成会グループとテストの格付けにこだわる進学舎とでは意見が一致するわけはありませんし、練成会グループの他の要求も進学舎は拒否します。
結果、我田引水的な模試「北海道統一模試」を練成会グループは立ち上げるわけです。
この「北海道統一模試」の問題レベルに関しては、他塾の関係者から疑問符をつけられています。ようするに易しすぎて本当の意味で受験生のためにならないという意見が主流なのです。
では、他の大手2塾の模試はどうかというと、秀英予備校のものは北海道ナイズされていない欠点があり、北大学力増進会のものは、質はともかく受験人数が少なすぎるのでデータ精査には役立ちません。
つまり、北海道で実施されている4つの模試はどれをとっても欠陥が多いというのが現状なのです。
では、どうすることがよいのか。第3の案がないわけでもありません。ただ、進学舎が本気で北海道の生徒のことを考えるかどうかにその案の実現性はかかってきます。次回に、その提案についてお話しさせていただきます。
※この記事を読んでいる皆さんはどうお考えですか?ご意見ありましたら、コメントをお願いいたします。
ただいま、私とA君で別サイト「Private Education Site Hokkaido」の新しいコーナー“北海道公立高校一覧”を日々検討しながらボーダデータを作成中です。
さまざまな大手塾の模試データや道コンデータ、道新受験情報などの基礎資料を参考に、解釈上信頼の高いデータを構築中ですが、ここで一つ問題が生じています。
なにかと申しますと、「道コンデータ」の信頼度がきわめて低いということです。進学校ならばいざ知らず、中堅校以下の高校のボーダーデータに関しては、まったく使い物にならないことが判明しました。
具体的に言いますと、札幌圏のA高において“道新受験情報”発表の最低点をはるかに下回る得点を合格ラインと設定していたり、ほぼ毎年定員割れの高校の合格ラインが異常に高かったりと、良識のある塾関係者であれば首をかしげる内容ばかりです。
そのため、私達の「Private Education Site Hokkaido」内“北海道公立高校一覧”では、「道コンデータ」を無視して作成せざるを得ませんでした。
この原因として考えられるのは、明らかにサンプル数の不足でしょう。さらに、この傾向は、2009年度以降顕著になっていきます。
大手塾(株)れんせい(練成会グループ)が道コンより離脱したことは、別項で記載した通りです。その結果、札幌圏・北見・釧路を除く地域では、圧倒的なデータ不足となることが予想されます。
ましてや学校裁量問題採択初年度ですから、各地域の進学校データすらあやしくなっていくのです。
残念ながら、主催の進学舎の方針は、それをあまり考慮していない様子です。先日、ある問い合わせで進学舎に電話したところ、あまりに横柄な対応に、最後は怒ってしまいました。会社全体に驕り体質が蔓延してるとしか言えません。
今後、この会社の運営する模試は他社との競争に勝てるかどうか、データの信憑性・受験人数の減少・会社の体質の3点がネックになるような気がします。
私の中3生の教え子が、8月の北海道学力コンクールを受験してきましたので、解き直しの指示を出しつつ問題をじっくり眺めさせて頂きました。
今回の道コンでは来年度公立高校入試より導入される「進学校向け選択問題」に対応した問題を取り込んできたのが、新しい試みです。試行錯誤の上の導入なので未完成な部分があることを割り引いても、「?」と感じましたので、報告がてら記載します。
(1)今回の新機軸実施の背景
本来ならば、別項目で解説する内容なのですが、HP改編作業の関係でこちらに「道教委」の発表を掲載します。
道教委は、来春の公立高校入試の国語、数学、英語の3教科で、全道一律の問題とは別に難易度の高い問題を用意し、各校が裁量で選択できる制度を導入する。上位校を中心に「受験生に差が付かず、本当の学力をみることができない」との要望があったため。上位校を中心に導入する見通しで、10月初旬に実施校を公表する。
道教委が学習指導要領の範囲内で問題を作成。大問4、5問のうち1問を、知識を問う平易なものから応用力を重視したものに替える。配点は15~20点(満点60点)となる。理科、社会は出題領域に偏りが出る恐れがあるため除外した。選択制度は大阪、宮城、秋田など6府県が、数学と英語の1~2教科で導入しているが、3教科は初めて。
【毎日新聞 2008年6月24日 北海道朝刊】
(2)北海道学力コンクールにおける対応
①実施教科と出題形式
●上記にある国語・数学・英語の3教科において採択。大問のうち1つを難度の高い設問として設定。⇒国語:3番、数学:5番、英語4番
●配点は各教科とも20点前後に設定されている。
●選択問題ではなく、すべての生徒が解答する必修問題として出題されている。
選択問題実施校ではない公立高校を志望する生徒にも、受験を強いる必修問題としたのは、道コンのデータ処理が煩雑になるというのが理由と考えられます。悪く言えば「大人の事情」を受験生に強いたテストであったといえます。
選択問題を必要としない受験層が全体の6割強は受験しているであろうと考えれる模試において、このような出題をするのは中堅以下の学校を受験する生徒を切り捨てた設定でないでしょうか。そのような生徒たちにとって、正確な合格判定ができなくなることを全く無視しています。
更に、入試直前となる1月・2月模試においてこのような形式をとるのであれば、正に独占市場状態における進学舎の驕りとしか思えません。出題形式を選択問題へと変更するのは当然の処置でしょう。次回以降の改善を要望します。
②出題内容について
●国語は、小説文。英語は、解説文として出題。両教科とも一部の設問の難度が極端に高くなっている。
●数学は、空間図形を切断した時の体積。円内にある条件にそって弦を引きくわえたときの区画の数に関する問題が出題。
数学について論評すると、空間図形に関しては指導要領を超えない範囲での出題のため大きな問題はありません。しかし、円の問題は、高校数学の順列・数列の概念をもとにした内容のため、現中3に出題すべき設問ではないでしょう。
作問時でのチェック体制の不備を露見した出題であったといえます。
今回受験した中3生の皆さんには、「お疲れ様でした。」というねぎらいの言葉を捧げます。大人の試行錯誤による悪問につきあって、大変だったでしょう。
進学舎スタッフは、このような早急な駄作ではなく、もっと研究された内容で出題することが受験生への義務です。改善を望みます。
(1)出題レベルの設定
中1~3の目標平均点は170/300点、各教科でいうと34/60点にほぼ設定されている。得点だけでみると北海道公立高校入試と同レベルである。
ただし、入試は全道の中学生の90%以上が受験するが、北海道学力コンクールは中3で30~40%、中1~2は20%未満であることを忘れてはいけない。北海道学力コンクールは基本的に成績が中の上以上の生徒が受験して、入試とほぼ同じ平均点となる。つまり、かなり難易度の高いテストということである。
結果的に素点だけで判断すると、入試の学力点よりも低く算出されるケースがあり、事務局から送られてくるデータ帳票を見ないとより正確な判定はできない。
また、このテストを実施する塾としては、夏期や冬期の短期講習授業を受けてレベルアップしたことを数値(素点)で知らしめ、塾への入会へとつなげる意図がある。しかし、現状の出題レベルでは、講習前に実施するテストより素点が下がる生徒が多く、その効果は期待できない。
※練成会グループ(札幌セミナー以外)が中1・2で北海道学力コンクールを実施しないのは上記の事情による。地区平均点が比較的高く、競合他塾の多い札幌セミナーは北海道学力コンクールを実施している。
(2)出題内容の設定
基本的に学習したすべての内容が試験範囲となっているが、参加塾への配慮か、中2での中1内容の出題比率は低い。例外として、中3の11月模試のみ、学力テスト総合Cに準拠している。
マクロ的な視野で出題範囲を設定しているので、各塾の講習重点学習内容とは合致しないことが多い。繰り返すが、短期講習の成果を試す試験としては不適である。
また、教科によっては入試レベルをはるかに超えた問題が出されるケースもあり、問題作成段階でのチェック体制が不充分と考えざるを得ない。問題作成は、(株)進学舎と個別に契約した作成スタッフによって行われているが、内容チェック等はほぼ作成スタッフ任せになっている現状がある。
(3)独占状態の模試市場
加盟塾が900以上ということもあり、サンプル数が多いほど精度が増す受験模試としては申し分ない。ただし、北海道内存続の唯一の公開模試(増進会・秀英を除いて)となったため、ほとんどの塾が道コンを頼らざるを得ない、いわば独占状態である。北海道学力コンクールを受けないと進路指導ができない塾が多数存在し、塾単位での分析力の低下を招いている。
学校現場においても、北海道学力コンクールの影響力は大きい。北海道学力コンクールのデータ帳票をもとにして進路指導をする情けない教員も多数存在している。これは、中学校で実施する北海道教育文化協会製『学力テスト』の得点集計を学校単位でしか比較できない事情による。
このような文科省の対応が、中学生の北海道学力コンクール受験促進へと働いているのは皮肉な結果と言わざるを得ない。
私は、かつての『全道統一模試』のような別系統の模試の必要性を感じる。選択の余地がない今の現状では、問題レベル・データ処理に企業の独善性が反映されやすいためである。高校生のように、多数の模試を受験できる環境であれば、模試運営各社がしのぎを削って質を高める事をできるはずである。
※表中の★が大まかな合格ラインです。
この表は、2008年4月データを参考に作成してあります。他の高校および詳細なデータをご希望の方は、直接(株)進学舎へお問い合わせください。
△「進学舎HP」です。
(1)北海道学力コンクール
●対象学年:中1~中3 ●実施教科:国語・数学・社会・理科・英語(各60点、満点300点)※第1回中1のみ英語なし(満点240点)
●問題用紙体裁:A4版冊子形式、解答用紙のみB4(北海道公立高校入試に準じている)
●実施時間等……中1・2は各教科40分、中3は45分。英語は聞き取りテスト含む。
●標準実施日
中1・2……4月2日、8月10日、1月10日(年3回)
中3………4月3日、8月11日、11月3日、1月11日、2月第1日曜日(年5回)
●志望校判定:道内高校に限り、4校まで判定可能。
(2)小学生学力コンクール
●対象学年:小4~小6 ●実施教科:国語・算数・社会・理科(各100点、満点400点)※小4は国算のみ(満点200点)。
●問題用紙体裁:A4版冊子形式、解答用紙もA4.
●実施時間等……各教科30分。
●標準実施日……4月2日、8月上旬、1月上旬(年3回)
※8月と1月は、各塾によって実施日の設定が可能。よって2つ以上の塾で受ける場合は、重複受験とならないよう注意が必要。
●志望校判定:中学受験のある道内国公立・私立中学に限り、3校まで判定可能。
(3)チャレンジグランプリ
●対象学年:小6・中3 ●実施教科:国語・数学(算数)・社会・理科・英語(中3)※各科100点満点
●問題用紙体裁:A4版冊子形式、解答用紙もA4
●実施時間等……小6は各教科40分、中3は50分。英語は聞き取りテスト含まず。
●標準実施日
小6……7月6日、8月31日、11月24日(2008年度 年3回)
中3……11月24日(2008年度 年1回)
●志望校判定:学力コンクールに準ずる。
●その他:私立学校入試対策の模擬テストのため、出題レベルがかなり高い。
(4)中3オープン模試
●対象学年:中3 ●実施教科:国語・数学・社会・理科・英語(各60点、満点300点)
●問題用紙体裁:A4版冊子形式、解答用紙のみB4(北海道公立高校入試に準じている)
●実施時間等……45分。英語は聞き取りテスト含む。
●標準実施日
中3………8月31日、10月5日、12月7日(2008年度 年3回)
●志望校判定:道内高校に限り、4校まで判定可能。
●その他:私立学校入試対策の模擬テストのため、出題レベルがかなり高い。
▲受験会場
●加盟塾…北海道学力コンクール加盟塾それぞれで会場を設置。ただし、(3)・(4)の特別模試は確認が必要。
●事務局指定会場…かでる27、教育文化会館、札幌日大高校など(札幌圏)
(3)練成会グループの台頭と模試の盛衰
(有)畜大練成会が85年夏期に採択した『北海道学力コンクール』は、(株)進学舎の模試経験のなさが災いし、参加数・問題レベルとも『全道統一模試』を大きく下回るものであった。テストとしての精度を憂慮した(有)畜大練成会は、全道統一模試事務局との関係改善を受け、再び『全道統一模試』へ実施模擬テストを変更する(全道統一模試事務局サイドとしても、受験料減収を改善する目的があった)。
『北海道学力コンクール』はその後、全道私塾連盟非加盟塾へのセールス活動を継続し、徐々にではあるが加盟塾を増やし継続していくのである(1) 。一方、『全道統一模試』は、『全道私塾連盟』の形骸化の進行により、徐々に問題レベルが低下し、加盟塾からの不満が募るようになっていった。
1989~90年、(有)畜大練成会は旭川・小樽開講と、札幌地区での教室展開拡大へと増進会への対抗基軸を強化していく。練成会グループの創設である。
札幌地区での教室拡大策の中で、旧札幌セミナー(当時:札幌セミナー東本部)も教室拡大を開始し、もはや「東本部」「西本部」は別なライバル塾として存在するようになった。練成会グループが『全道統一模試』に受験料を支払うことは、ライバル塾に塩を送る結果となるため、同年、再び『北海道学力コンクール』へ実施模試を変更するのである。
(株)進学舎には、塾教材販売代理店であったため、増進会を除く道内塾との関係を良好に保てる利点があった。それゆえ、練成会グループ非参加の4年間に『北海道学力コンクール』を存続させることができ、問題レベルも改善を進めていたのである。
最大受験塾である練成会グループを失った『全道統一模試』は急速に衰退していく。問題レベルの低下はもはや止めるすべもなく、94年には連盟副会長塾であった『あすなろ会』なども『北海道学力コンクール』へ参加し、大きな私塾が受験しなくなった『全道統一模試』は模試としての役目を終えるのである。
その後、大きな収入源を失った「札幌セミナー東本部」は「北大進学指導会」と名称を変更し塾部門のみで経営を続けていたが、98年に第3本部が『想育舎』として独立するなど、一時期の勢いはもはやなくなっている。
※(1):当時、『全道統一模試』に加盟するには、連盟塾の承認が必要だった。独立して個人塾を起こした塾経営者にとって、『全道統一模試』の敷居が高かったことも幸いしている。
(4)その後の北海道学力コンクール
そもそも『北海道学力コンクール』は、『全道統一模試』に対抗する模試として立ち上げたため、標準実施日・出題傾向・テスト印刷形式が酷似していた(余談だが、20年近く北海道を離れていた知人は、単に模試の名称変更としか思っていなかった)。そのため、『全道統一模試』実施塾を取り込むことは容易であった。
運営が(株)進学舎であったことも、塾間の利害が絡みにくいことが幸いし(2) 、明光義塾や能開センターなどの道外塾ですら進出時には『北海道学力コンクール』を採択するようになり、ますます参加数が増えたのである。
また、(株)進学舎にはテスト問題や受験データの累積により、独自教材を作成できる土壌が出来上がった。(株)栄光(栄光ゼミナール)出版部門『エデュケーショナル・ネットワーク』との提携で中3受験用テキスト「サミングアップ」を出版するなど、『北海道学力コンクール』のノウハウ取り入れた教材を道内塾に販売している(練成会グループの入試対策テキストも中身はサミングアップ)。
模試の命は、受験データの精度(データサンプル数)である。今や『北海道学力コンクール』をなくして、北海道の塾の受験指導は成立しないほど、『北海道学力コンクール』は各塾に浸透している。
※(2):例えば、秀英予備校の地元静岡県では、大手「佐鳴予備校」が主催する「静岡県進学模試」が多くの塾を取り込んだ統一模試になっている。無論、受験料は「佐鳴予備校」の収益となる。このため、秀英予備校は別の模試を主催している。
(1)全道統一模試の登場
1980年代の初頭、(株)進学会(北大学力増進会)の全道展開が開始されたことに対して、地域に根ざした各都市の塾は警戒を強めていた。それらの塾のうち各都市に拠点を置く地元塾が連携し『全道私塾連盟』という組織を立ち上げ、増進会への対応策を協議し始めた。
その流れの中で、連盟会長塾となった旧札幌セミナー(現北大進学指導会)が運営する模擬試験『全道統一模試』を北大学力増進会の『合格判定テスト(学力コンクール)』に対抗する模擬テストとして立ち上げたのが、北海道の中学生対象模擬テストのはしりである。
『全道統一模試』は年々加盟塾を拡大し、増進会の『合格判定テスト(学力コンクール)』に対抗できる勢力として成長を続け、1990年頃には年間受験者が5万人規模の一大模擬テストへとなっていった。
(2)全道私塾連盟の衰退と北海道学力コンクールの参入
順調に見えた『全道統一模試』だが、その運営には多くの問題点が内包していた。『全道私塾連盟』は、地域塾の集合体という位置づけで出来上がった組織であったため、加盟塾間の競合は、暗黙のルールとして認められていなかった。また、他の加盟塾は、テスト問題作成サポートをわずかな報酬でバックアップする体制をとっていたが、受験料収入の分配はなく、すべてが旧札幌セミナーの収入となっていた。
加盟塾内には、増進会に対抗する手段が模擬テストのみでは不充分と考える塾があった。それは(有)畜大練成会(現練成会グループ)である。
1984~1985年に、連盟を有名無実化する動きを(有)畜大練成会は起こす。84年の経営権一部譲渡による『札幌セミナー西本部』の開設と85年の『釧路練成会』の新規開設である。特に、釧路進出では連盟副会長塾である『あすなろ会』に対し、事前に何ひとつ根回しをしなかったため、大きな軋轢を生むことになる。そして、釧路練成会地区運営者の無知によって、事件が起きる。
それは、標準実施日を前倒しした『全道統一模試』の実施であった。新規開講無料講習を受講した生徒の中に『あすなろ会』の塾継続生がいたため、同じテストを2回受験し、テスト後に発行された成績優秀者冊子の1位と11位にその生徒の氏名が掲載されたのである。
『あすなろ会』から告発を受けた統一模試事務局は、(有)畜大練成会に対し、釧路練成会の模試受験資格停止の処分を下す。その処分に不満であった(有)畜大練成会が同年の夏期講習で採択した模試こそ、半年前に実施し始めた『北海道学力コンクール』だったのである。