2011年度より、小学5~6年において外国語(英語)指導が必修となります。また、中学での英語の指導時間数も主要5教科中最高時間数となり、文科省がいかに英語教育に力点を置いているかがわかる改定となっています。
しかし、この方針は正しいといえるのでしょうか?小学生・中学生の指導目標や時間数をからめて考察してみます。
(1)小学生の英語指導
①指導時間
●小5、6共通……週当たり1時間(年間35時間)
②指導目標
外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う。
③概要
コミュニケーション能力を重視し、主に音声的な指導を行う。CD・DVDなどの視聴覚教材を積極的に活用する。アルファベットなどの文字や単語の取り扱いは、音声によるコミュニケーションの補助的に用いる。
ようするに、小学生段階では、あいさつ・外国の行事などを通じて英語の発音に慣れることが第1目標で、代表的な慣用表現を少々学習する程度ということでしょう。
また、新聞報道によると小学生英語教材のたたき台が教科書出版社から提示され、驚くことにアルファベットの履修は小6からとなっていました。
小学生の英語指導は単なる会話が少々できるようになればよいということなのでしょうか。その程度なら、わざわざ学校教育で扱うほどのことでしょうか。言語の基本をもっと学ばせる方向性が欠けているような気がしてなりません。
言語教育は会話ができることだけではなく、文字情報を読み取ることも重要です。国語科において小1は文字を学習せずに会話だけをやっていますか、そんなことはないですよね。小1から仮名文字・一部の漢字を学習して、文字情報を読み取ることも指導しているはずです。
英語教育もその両面が必要なのは間違いありません。それにも関わらず、会話のみに特化した指導をするのはいかがなものでしょうか。単に、中学への先送りを想定しすぎです。
そういえば、20年以上前はローマ字という形でアルファベットを小4で履修していたはず。これは、明らかな後退といってよいでしょう。中学において、他教科への弊害が生じないように小学生の英語指導は週2時間で、文字情報教育も取り入れるのが妥当ではないでしょうか。