どうでもいいんですが、前回の(70)と今回の(71)はファイターズCS敗退前に書かれたものです。(72)は、ショック回復までお待ちください(泣)。
“E光ゼミナール北海道”代表は2001年の子会社化当時、社員に対して次のように方針を語っていました。
「社員は、いかに利益を上げるか。そこを追及してほしい。授業が上手なだけの塾では募集力はない。TANJI(丹治進学教室)がその代表だ!」
彼が求めていたのは、収益の増加だけでした。当然のように、社員の評価も募集力と経理面を含めた運営力に偏ります。生徒募集に力を発揮できる社員は、無条件で登用されるようになるのです。
また、代表の方針は社員がついていけないほど、切り替えが早く、3か月もあれば人事やアルバイト講師の給与体系が一変するほど早急でした。悪く言えば、風見鶏的な一貫性のない指示が日々飛び交い、各教室はその混乱に巻き込まれつつ業務を遂行するしかなかったのです。
当然のことながら、新入社員に関しても募集のセンスがないものは数か月で解雇(もちろん形式的には自主退職)され、古い社員以外はまったく定着しなかったのです。
このような方針により、慢性的な「講師不足」という問題点が父母の信頼の欠如に結び付いていきます。
①西区の教室では、2月の受験前の時期に、教室長を転勤させるという暴挙的な人事を発表し、父母からの大クレームの末に撤回する。
②南区のある教室では、講師不足から集団クラスを規定外の40名で運営したり、本来1:2指導で契約している生徒を頻繁に1:3~1:5で指導していた。
とどめを刺したのは、真駒内の教室におけるアルバイト講師によるセクハラ逮捕事件です。個別指導の生徒に対してセクハラを繰り返していた講師が、教室に直接乗り込んできた警官によって現行犯的に逮捕されたのです。
その教室の担当社員は、教務部長といういわばNo.2の立場の人物でしたので、社内がいかに堕落していたかを象徴する事件でした。
こういった問題点のほかに、教室のスクラップ&ビルドの激しさも追い打ちをかけます。業績不振の教室は、2年もせずに閉鎖するかと思えば、同じ年に10教室近くを新設しました。資金が持つわけがないでしょう。
こういった、行き当たりばったりの運営で“E光ゼミナール北海道”は衰退の一途をたどります。業を煮やしたE光本社は、ブランド低下を避けるために再度、この子会社を吸収することになるのです。
結果的にE光ゼミナールは、負の遺産を払拭できないまま現在に至っています。また、現在においても「本科」クラスしか設置せず、5教科で月謝3万円となる集団クラスの運営では、他塾との競争にもなりません。首都圏や宮城県での隆盛が嘘のようです。
塾としての方向性が正しかったにもかかわらず、あくなき利益追求の姿勢が運営を誤らせた。“E光ゼミナール北海道”の失敗からは、次の点が学べます。
①人件費削減のために、バランスを崩した1:多指導を行うと、信頼を損なう。
②学習塾の基本が講師であることを軽視すると、信頼を損なう。
③一貫性のない方針で運営すると、混乱を招き組織は崩壊する。
④基本指導システムの改編は、理念がなければ無意味。
⑤募集のみに特化した教室運営では、ひずみが生じる。
こういった点を糧として、他の大手塾が運営に取り組んでいるかというと、そうでもないでしょう。少なくとも①と②くらいは守ってほしいのですが…。
E光ゼミナールが期待できないとなると、私の理想とする学習塾が北海道にまったく存在しないのではと、皆さんは思われるでしょう。
いえいえ、そんなことはありません。集団指導と個別指導を融合させ、地域の信頼を勝ち得ている塾は存在します。
次回は、その塾のお話です。
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