本題に入る前に、一言。
昨日、中3生を対象とする学力テスト(総合B)が実施されました。どの中学校でも進路を決める大事なテストということで、しっかりと意識づけをするものだと思ったら…。
そうでもないらしく、相棒のA君は激怒してました。詳細は「おふぃすFFFブログ」で読んで頂ければわかりますが、こんないい加減な教師の補完をする私教育は、いらぬ苦労をするだけですね……。
上記の前振りは、今回の話にまったく関係がない……、という訳でなくかなり関係があります。学習塾&家庭教師業界が1.5兆円産業として成り立っている背景を考えてみたいと思います。
僚友サイト“羊蹄学園大学社会学部講義集”の佐山氏は、
『私の考えは「塾なんていらない!」だし、やむなくでも存在する以上は「しっかりしてほしい!」なのですから。』
という主張のもとで塾論を展開していることは、以前も書いた通りです。佐山氏の主張は、もっともでしょう。大手塾が私利私欲に走って、私教育業界を混乱に導く現状では、そう非難されるのは当たり前のことです。
ところで、塾や家庭教師が“やむなくでも存在する”理由は何でしょうか。言うまでもなく、公教育(学校教育)が欠陥と矛盾の巣窟化しているからに他なりません。
教育とは何か。生物学的に考えれば『種を存続させるために、子孫に生き残り方を教える行動のこと』と定義できるでしょう。
たとえば、数か月前に放映されたNHK“ダーウィンが来た!”で取り上げられたミーアキャットの家族が子供にサソリの採り方を指導するくだりは、まさにそれに当たります。
教育とは、さまざまな生物が種を発展・継続させるために必要な生命活動の1つなのです。
ヒトという生物の場合、それをもっと発展的に考えねばなりません。親や家族だけが子供を教育するのでは、親の持つ狭い価値観のみが伝承され、新たな価値観が生じないのです。
個人としての生活能力を得るためには、多様な価値観を吸収する必要性が生じます。そのために、必要となるのが“学校”という公的な教育機関なのです。
しかし、本来教育というものは公的機関が原点ではありません。知的な好奇心を満足させたり、生き残るためのすべを得るために一部の私的な伝承者が始めたことは、古代ギリシャ・古代中国などの歴史が証明しています。そうです、教育の原点は公教育ではなく私教育なのです。
その後、ヒトという生物が社会を構成し、国家として発展していくに従い、教育する内容には標準化が必要になってきました。国家運営のためにはある一定ラインの統一した価値観を必要とするからです。その価値観を植え付けるために生じたもの、それが公教育機関なのです。
現代の日本社会において、公教育は“義務教育”という名の標準化をすすめる機関と、多様化および発展性に対応するための高校・大学などの高等機関に分かれて存在しています。6・3・3・4制度が成立しているわけです。
義務教育においては、“教育の機会均等”というお題目のもと、すべての生徒に同じ内容の授業をすることを是としています。これがそもそも公教育の大いなる勘違いでないでしょうか。
相棒のA君は、この状況を、
「今の学校教育は、並列回路みたいなもの。同じ電圧(指導)を与えても、個々の抵抗(理解力)によって流れる電流(習熟度)がちがいますからね。」
と例えています。
つまり、直列回路のように流れる電流を一定にするために、個々の抵抗に異なる電圧をかけねば意味がない、そうA君は言いたいのです。私も同感です。
“教育の機会均等”とは、指導内容の画一化ではないでしょう。すべての子供の習熟度をある一定ライン以上にすることこそが本当の機会均等でないでしょうか。
そのためには、学校教育の中で「習熟度別指導クラス設定」「未達成者補講」などの工夫を大いに取り入れることが必要でないでしょうか。
しかし、日教組によって支配された教育現場では、労働者としての権利を主張することに奔走する、公僕であることを忘れた教師が多く、迷走しています。冒頭のA君の憂いは、まさにその象徴でしょう。
公教育の、はてしなくだらしない現状。だから私教育が、“教育の機会均等”の手伝いをしなければならないのです。現代の私教育産業を発展・成長させたものは、まぎれもなく公教育なのです。
学習塾や家庭教師は、学校教育を補完するために、もはや不可欠な教育機関となっています。
塾や家庭教師をやむなく存在させた学校教育には、それらを無力化させる方向性も未来もありません。教育は、私教育と公教育が両輪となって、子供たちを育むのが当たり前の時代なのです。
ただし、それが私教育の限界点へもつながっていくのですが……。
つづく…(長くなりすぎたんで、個別指導の限界の話は次回に持ち越します)
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