指導を受ける生徒にとって、家庭教師の問題点はなにか。それは命ともいうべき1:1指導に原因がありました。
予備校のような集団指導の塾と家庭教師しかなかった時代では、ほとんど究極の選択的にいずれかの形態を選ばざるを得ず、集団指導で埋没するタイプもしくは時間的に無理なタイプの生徒は無条件で家庭教師による学校外指導を選択していました。
しかし、本来は集団指導に向いている生徒にとって、絶えず先生からの視線を注がれる家庭教師を息が詰まるほど苦痛に感じることが多々あります。常に自分だけを見てくれることは、一見至れり尽くせりですが、消しゴムの使い方1つまで注意を受けるような環境では、萎縮してしまいます。
そこで登場するのが1:2型の個別指導です。片方が指導を受けているとき、もう一方の生徒は自分自身で思考する時間を得ることができます。1:1指導の息苦しさの緩和につながることから、学習効果が上がるケースも生じるのです。
家庭教師を受け入れる家庭環境も大きく変化していきます。90年代以降、景気の後退傾向に端を発し、共稼ぎの家庭が増加しました。子供たちしか家にいない時間帯に、赤の他人である家庭教師を受け入れることは抵抗があるでしょう。その結果、預けることができる塾への依存が高まっていきます。
上記の2つの背景から、個別指導塾の台頭が始まり、同時に家庭教師は衰退していくのです。家庭教師業界にとって、さらなるイメージ低下となった教材販売を目的とした悪徳業者の参入もダメージとなります。マイナスイメージが先行した家庭教師に代わり、個別指導塾は徐々に隆盛化していきます。
“Private Education Site”の立ち上げ時、さまざまな塾について調べてたとき、ある事実に私は気付きました。ここ5年ほどで個人塾を起業された方々のほとんどは、集団指導塾を選ばずに、圧倒的に個別指導塾として開業しているのです。
大手塾で集団指導を担当し、その後起業なさった方々でも、成功しているのは個別指導塾を開業したものばかりです。
それに対し、6章で記述したR会退職者の開業した塾は、過去の栄光を引きずってか集団指導塾を選んで失敗しています。つまり、今の時代は開業するなら個別指導塾の方が有利ということなのでしょう。
その理由の1つがM光義塾FCに代表されるフランチャイズシステムです。基本的なシステムを自ら構築する必要はなく、極端な話、起業する代表者に指導経験がなくても経営が成り立つのです。
個別指導塾FCは、道内にかなり広がりつつあります。M光義塾以外にも、札幌市内に数店舗あるペガサスFC、ITTOなども独自色をもったFCです。また、FCではない慶学館なども近年教室数を伸ばしてきています。
この現象は、単純に大手塾に代表される集団指導への不満層が集結したということだけでは説明はできません。個別指導塾には、集団指導塾にはない利点がまだまだあるのです。
その話は次回にて…。
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