さて、R会の査定基準に関してです。あらかじめお断りしますが、今回の記載はA君が在籍していた当時のものを参考にしていますので、現在は大きく変更になっている可能性があります。(社員講師比率が4割弱→8割と変化したため)
(2)R会の査定基準(2000年頃のものです)
1.業績査定・・・総本部から出される目標を達成したかどうか(社員には提示されない)。
①講習参加数・・・教室管理者として講習生を何人集めたか(主に賞与に反映)。
◎継続生○○人(参加率△△%)+一般生○○人(対前年比△△%)=講習参加数
②継続生在籍数・・・教室責任者として、4月新学期段階で継続生を何人にできたか。また、年間の退塾をどれだけ抑えられたか(ボーダー8~9%)。
⇒社員が最も関心があるのは春期講習生を大量に募集し、その中から何人(何%)継続入会させられるかがメインで、そこで失敗したら夏期・冬期にフォローする。
③授業アンケート・・・別記
④担当業務の評価・・・非手当役職(教科主任・教室責任者)と有手当役職(教務部長・教科部長・本部長など)では基準が異なる。
2.勤務評定・・・上司がその職員をどのように思っているか。
⇒自己記入欄はなく、所属長記入のA~Eの5段階評価。
R会に勤務していたA君によると、これらの項目の中で重視されていたのは②と③であって、①の講習参加数は、賞与の査定のみに用いられていたとのこと。④も普通にやっていれば問題なかったようです。
また、勤務評定が重要な要素のようで、数値以外の上司の受けが査定にかなりかかわっていたようです。
ワザと前回のHZ会とそろえて書きましたが、これだけを見ると大差がないように感じてしまいますよね。が、しかしです。決定的に違うのは授業アンケートの査定比率が大きいことです。授業アンケートについて詳しく記載すると、次のような内容であったとのことです。
◎R会授業アンケート概要(全講師共通)※2000年前後のもの
①講師の熱意(下記の1~4を記号選択)
⇒1.大変熱意を感じる 2.熱意を感じる 3.あまり熱意を感じない 4.熱意がない
②授業のわかりやすさ(下記の1~4を記号選択)
⇒1.大変わかりやすい 2.まあまあわかりやすい 3.ややわかりにくい 4.わかりにくい
③授業の私語、④項目不明(忘却)→査定対象外のため割愛。
⑤講師への満足度(下記の1~4を記号選択)
⇒1.大変満足 2.まあまあ満足 3.やや不満 4.大いに不満
⑥生徒からの筆記コメント欄→これも査定対象外。ただし、大きな問題のある場合は個人的に指導。
以上のデータを数値化して集計したものを査定に反映する(①、②、⑤の平均集計)。R会内の各項目平均値は1.5~1.7程度(2000年頃)。この数値を大きく下回るとマイナス査定の対象(もちろん数値が低いほど優秀と考える)。全地区本部のトップ3の者には別に表彰もあり。
A君の話によると、年間給与査定において塾継続生数を大幅にアップさせた社員が、授業アンケートの評価が悪かったがために昇給を抑えられたケースもあったそうです。
前述のように、現在のR会はA君が在籍した当時よりも社員講師の比率が高くなっています。ということは教室責任者ではない平の社員も多いわけですから、より一層授業アンケートが査定でのウエートを占めていると予想されます。
さて、HZ会やS英予備校は、業務成績を重視した人事考課を行うのに対し、R会では授業力(生徒受け)をそれよりも重視していることが大きな違いです。(46)で掲載した義家弘介氏が、R会時代にある程度の評価を得た理由もそこにあるのではないでしょうか。
この両極端ともいえる査定基準の違いは、各大手塾の社員の成長にどのような影響をもたらすのでしょう。その辺は次回にて。
------------------------------------------------------------------------------------------------
〇『塾・予備校ブログ』を応援よろしくお願いします!