さて、今後の中高一貫校と学習塾はどのような関係を築いていくのでしょうか?
2月の北海道新聞札幌版に掲載されていた記事によると、一部の学校は生徒確保のために盛んに塾詣でを行っているようです。ある私立中学校の出身者の9割は市内の8つの塾の出身者で占められ、学校側はこれらの塾を「得意先」と呼び、「8つの塾に絞って営業に歩けば済む」と考えているとのことです。
この8つの塾に関して明確な記載はないのですが、同記事中に塾名が掲載された塾がちょうど8つありました。列挙すると日能研・能開センター・駿台小中学部・標準札幌校・HZ会・TANJI・札幌進学教室・札幌丸山入試研究所となります。
おそらくこれらの塾が中学受験で実績を上げているということなのでしょう。
新規参入のR会グループの四谷大塚NETはどうなるのでしょうか?高校受験において、私立校と良好な関係を築いてきた経緯からおそらく「得意先」にノミネートされるでしょう。しかし、実績が伴わねば数年後には「得意先」でなくなる危険性もはらんでいます。
四谷大塚のシステムを活用した指導ははっきり言いまして、札幌進学教室・札幌丸山入試研究所のYTnetから参入している塾に一日の長があります。10年以上をかけてシステムの北海道ナイズに腐心してきたからです。
しかし、R会グループが四谷大塚NET北海道ナイズするのにはかなりの年数がかかるはずです。
第1に、4章でも記載した様に(株)ナガセのシステムは入れ物だけを用意してあとは各塾でやってくれという形式であることです。中学受験に対するノウハウ構築がHZ会の足元にも及ばないR会グループでは手に余すのではないでしょうか?
ならば首都圏の四谷大塚本部教室に担当講師を研修に派遣すればよいのでしょうが、2月の説明会ではそれすら行っていなかったことが対応から感じられます。トップコースの設定が北海道に合致しないことに気づかないことからもそれはうかがえます。
第2に、R会グループ内での運営の足並みがそろうかどうかが疑問です。札幌圏の四谷大塚NETはSセミナーが主体の運営で、他の都市はR会が運営していきます。中学部を例にするとわかるように、グループ内の2つの塾の教務連携は皆無に等しい(一部テスト教材を共有するのみ)ですから、教務内容の共同構築は難しいでしょう。
業界内ではR会トップとSセミナートップとの不仲説まで噂になっています。同じ企業体に属さねばならないのは、メインバンクであるH銀行との関係を保つためだけとの噂まで流れています。このような状態では、発展的な教務構築は難しいのではないでしょうか?
おそらく(他サイトの情報も含めての推測)、4月スタート時には目標を大きく下回る人数でR会グループ四谷大塚NETはスタートしたようです。他の実績ある塾以上に実績を残せない限り、今後も大幅な生徒増は不可能ではないでしょうか。
このブログタイトルである「道内学習塾の生き残り戦争」では、この中学受験コースの対応いかんでR会グループの敗北がかなり可能性が高くなっていくような気がします。中学部~大学進学部へとシフトしたS英予備校よりもある意味、不安材料が多いのではないでしょうか?
継続生確保につながりにくい中学受験コースの設定は、塾の生き残りには両刃の剣の戦略でしょう。さまざまな試行錯誤をしながら前進するHZ会に比べ、R会には数多くの不安要素が混在しています。この点に関しては、6章にて別視点で述べたいと思います。