前回、各塾のコース設定や授業料を比較してみましたが、比べていくといろいろなことがわかります。
まず言えるのは、小6生が顕著ですが非受験コースに比べて授業時間がかなり長いということです。この傾向は日能研と四谷大塚(R会グループ)で特に際立っています。
その理由として考えられるのは、首都圏の指導システムをそのまま北海道に持ち込んだためでしょう。日能研HPや四谷大塚NETの道外HPで北海道のそれと比べても、ほとんど同程度の指導時間を費やしています。あたかも私立中学に合格するにはこの時間量が必要だと言わんばかりです。
確かに、首都圏の著名中学に合格するためには、ハイレベル中のハイレベルの中に入らねばならないわけですから、その尺度で考えれば妥当でしょう。しかし、北海道の私立中学には残念ながらそこまでのレベルは求められてはいません。
一つの例として、首都圏では北嶺中高がひそかなブームになっています。次の表をご覧になってください。
これは、首都圏・関西圏などの著名な私立中学校と道内中学受験中学の合格圏偏差値を比較したものです。
偏差値80と60はどのくらいレベルが違うかはわかりにくいと思います。実施媒体のテストによって異なりますが、北海道学力コンクールの高校受験偏差値SSでいうと、67が札幌南や札幌北、60が札幌月寒ですから、80というのはかなりハイレベルであることがわかります。
通知表的にいうと5の最上位と4の中位くらいの開きがあると思ってください(あまり正確な表現ではないですが)。
その偏差値60が北嶺中学校なのです。しかし、皆さんがご存知のように北嶺中高の東大・京大の進学率はかなり高くなっています。
つまり、首都圏の保護者の北嶺中の評価は「合格しやすく、進学実績の高い学校」という位置づけなのです。
正直なところ、道内全体での中学受験率が5%未満という現状では、中学受験についての知識というより感覚がわからない方がほとんどでしょう。高校受験にあてはめて説明してみます。
偏差値75といえば、首都圏の著名私立高校のレベルです。北海道の塾の「超特設」「特選」などのレベルの学習では70位の高校に合格するのが関の山で、中学校の指導内容+高校1年レベルの知識と問題解答力が要求されます。あり得ないですが、公立入試では370/300点(満点越え!)くらいの得点力が必要です。
偏差値60というと公立入試では230/300点レベルと考えてください。北海道の塾の「特設」「選抜」で普通に合格するレベルです。
もちろん、北海道内の私立中学入試でも、小学校で指導される内容以上に出題されるので、特別な受験対策は必要ですが、首都圏のそれと比べれば大したことはないのです。
四谷大塚NETで使われる「予習シリーズ」というテキストをご覧になったことがありますか? 私は見た事があります。A4版で100ページくらいのフルカラーのテキストで、掲載されている内容は中3~高1で学習する範囲までを小学生にわかるように書かれている代物です。
日能研のテキストは問題主体の傾向が強いのですが、指導範囲は「予習シリーズ」と大差ありません。
2つの首都圏大手塾のテキストのレベルは、当たり前ですが偏差値80の学校の入試問題に対応できる内容なのです。
この内容をこなすには、あれだけの時間数(週10時間以上)が必要ということなのでしょう。
ところで、北嶺中や教育大附属中学の入試にそこまでの内容は必要なのでしょうか?否、不要です。不必要な詰め込み教育は、定着する前にリタイアする生徒を増やすだけです。
首都圏では、最低でも小4から中学受験コースの塾に通わねばならないということですから、あれだけの内容でしょうが、北海道の私立中入試にはそこまで必要はありません。小5の2学期から始めたとしても十分に間に合うのです。
私感ですがには、北嶺中や教育大附属中志望の生徒が日能研や四谷大塚NETの最上位クラスに通塾する必要はまったくないと思います。ましてや小6からそのコースに入塾するのは、自信喪失を増長するだけでまったくの無駄といってよいでしょう。
これらのコースを選択する必要があるとしたら、将来的に首都圏に戻られる予定の転勤族の保護者の方々だけではないでしょうか?
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