「塾と予備校ってどう違うんですか?」という質問をメールでいただきました。これはけっこう難しい質問です。
一昔前でしたら、学校法人であり文部科学省の管轄下にあるのが予備校で、会社組織であり経済産業省の管轄下にあるのが塾というのが答えでした。ようするに、予備校は専門学校の一種、塾は商店の一種ということです。
しかし、規制緩和の影響なのかどうかはっきりしませんが、株式会社の経営する予備校も存在します。その先駆けとなったのは前回に登場した(株)ナガセの経営する「東進衛星予備校(東進ハイスクール)」です。
現在の定義としては、18歳以上の資格認定試験(公務員・看護師・大学受検など)に合格するための教育機関を予備校。資格認定を伴わない学習(ECや倒産したNOVAなどの英会話教室など)や18歳未満でも認定されるそろばん・書道や中高受検に向けた学習をするところが塾と考えてください。微妙ですけどね。
さて、予備校御三家と言われる「代ゼミ・駿台・河合」はそろって学校法人です。この3校は浪人生だけではなく現役高校生対象の授業も実施しています。大手塾の高校生指導とは何が違うのでしょうか。
右の写真は、代ゼミの現役コース生を対象にした募集要項です。ご丁寧に『入学願書』(申込書ではありません!)まであります。
内容をみると懇切丁寧にコースの指導方針・カリキュラム・実施テストが、塾の案内パンフレットの数百倍の細かさで記載されています。さすが学校法人というところでしょうか。
それはさておき、指導コース等を分析すると道内大手塾とは次の点が大きく異なります。
(1)高1から学力別のクラス編成がなされていること
東大・京大などの難関大学コース・北大などの有名大学コース・教科書レベルの一般コースの3段階に大まかに分かれます。上位2コースは教科書指導という概念ではなく、大学入試に直結した指導を取り入れています。
(2)指導教科を5教科すべてから選択できること
英語・数学のレベル分け指導はもちろんのこと、長文読解・基礎などテーマ別の選択も可能です。また、古典・化学・地歴なども高1生から受講することもできます。
(3)集団・個別・サテラインなど生徒本位の指導を選べること
北海道の高校生は、部活動に対して熱心といわれています。そういった生徒たちでも受講できるように選択肢が広く設定されています。
(4)月謝ではなく年間授業料制であること
予備校は学校法人であるため、月謝ではありません。したがって、分割納入を選択しても返金はありません。また、各講座単位で年間7万円以上はみておかなくてはいけません。
(5)全国規模の模試で実力が把握できること
代ゼミの代ゼミ模試(全国センター模試・全国記述模試・全国論文テストなど)、河合の全統模試(全統マーク模試・全統記述模試・全統私大模試など)、駿台の駿台模試(駿台全国模試・駿台全国マーク模試・駿台全国判定模試・駿台ベネッセ共催模試など)などの受験者数10万単位の模試があるので、全国レベルでの実力把握ができます。
受講する生徒の立場で考えると、(1)~(3)、(5)はかなり魅力的です。しかし、(4)の授業料制に関しては、塾的な月単位での活用を考える生徒にとっては利用しにくいかもしれません。
