受験シーズンが過ぎ、新しい学年を迎える生徒たちが胸弾ませる春休み。しかし、塾側にとっては、新たな1年の業績を決める命がけの攻防をする、安穏とは程遠い時期です。
そういえば、明後日は北海道学力コンクールの中3標準実施日ですね。また、新たな受験競争のスタートイベントの開催日ですか……。
さて、1月12日の日本経済新聞『駆ける企業』にこんな内容が記載されていました。要するに、R会グループ会長のインタビューです。
……前半略……
R会会長が今後の飛躍の課題に挙げるのが「入り口(小学生)と出口(高校生)」の強化だ。現在の生徒比率は中学生の8割に対して、大学受験を目指す高校生・浪人生、小学生は各1割。大学の合格実績が上がれば塾の知名度向上も期待できるうえ、札幌市を中心に中学受験ニーズも拡大している。
すでに手は打ち始めている。衛星放送で授業を配信する大手予備校のフランチャイズチェーン(FC)に加盟。現在、道内14校で人気講師らの授業を記録したDVDを生徒らが個別ブースで視聴できるコースを導入しているほか、小学生を対象とした個別指導やロボット製作講座などにも力を入れ始めた。
R会会長は「将来は小学生と高校生の顧客の比率を4割に高めたい」と青写真を描く。中学受験から大学受験まで長期に通い続けやすい環境を整えて安定的に生徒を確保し、激変下の業界で生き残りを目指す。
また、HZ会やS英の取り組みに関しては、次の記事で取り上げられています。
中学生を主な対象としてきた大手学習塾が高校部門の拡大を急いでいる。SG会(札幌)が進学校の在校生を対象とした教室を拡充する一方、S英予備校(静岡)は昨年に札幌に開設した大学受験生向けコースに続き旭川でも高校生コースを設ける。 ……中略…… 少子化対策で対象年齢を広げる動きが目立っている。
出典: 『北海道新聞』2008年1月17日付
これらの記事だけを見ると、大手3塾は1980年代から叫ばれていたチャイルドショック(少子化問題)に20年以上たって、ようやく重い腰を上げたかのようですが、80年代にはすでに高校生指導への取り組みが始まっていました。
86年4月にはHZ会は、道内の5都市で高校生クラスを立ちあげています。R会も85~87年にかけて帯広・北見・釧路で、各地区ごとに別対応で高校生クラスを開設しました。
S英北海道進出に関しては、初年度に小中学部、卒業生を出した次年度に高校部(大学進学部)開設と手順を踏みつつ道内展開をしています。
それなのに、最近になって高校生指導を本気で始めたかのようなとらえ方をされるのは、いかにこの20年の高校生指導が杜撰であったかを象徴しています。
各塾の高校生への取り組みは、成功するのでしょうか? 私は2本の泥縄と1本の荒縄のどれが先に切れるかというレベルの戦いに過ぎないような気がしてなりません。そのほかに3本の横綱があるのを忘れて、戦略を練っても仕方ないでしょう。
というわけで、第4章の開始です。3本の縄だけでなく、横綱(代ゼミ・河合・駿台)も比較しながらお話を進めていきましょう。