昨日、道内公立高校の合格者が発表になりました。今日の時点では、各塾のチラシ広告は残念ながら出そろっていません。どんな感じの文言が載るのか、ちょっと楽しみです。
それにしても、帯広三条高校の失態は何なのでしょう。20分後に貼り替えればいいというものではないですよね。どうやったら昨年の合格者を貼るなどという失態をするのか、学校関係者の良識を疑います。
各塾の継続授業において、定番になっている特別授業が大きく分けて2つあります。1つは、定期(中間・期末・学年末)テストや中3学力A~Cの対策指導。もう1つは入試直前に実施する模擬テストゼミです。もし、道内大手塾がこれらの特別授業を廃止したなら、合格実績は何%減となるのか。おそらく、かなりのパーセンテージとなるでしょう。そのくらい、これらの特別授業は重要なのです。
勘違いなさらないように、ご説明しますが、特別授業の目的は、学力アップではなく得点力アップです。早い話、生徒に学力が身に付かなくても、テストの点数だけはそこそこ取れるようにする授業です。
定期テスト対策では、各中学校の過去問題を活用した教材や学校教材プリントを印刷したものを用い、テスト前2週間ほど、家庭学習が不十分でもテストに対応できるように、徹底的な詰め込み指導をします。その結果、定期テストでそこそこの得点をゲットし、内申点が上がるというわけです。
学力テスト対策は、各塾とも専用の過去問題テキストを生徒に配布し、類題率が高い「北海道文化協会」作成のテストに立ち向かわせます。予め、似たような問題をやってますので、ここでもそこそこの得点をゲットします。
そして、極め付きは入試直前に実施する模擬テストゼミです。もうほとんど、入試そっくりな予想問題を5~6回解き、入試への対応力をつけさせるのです。ここで出題した予想問題の類似度は、塾のよい宣伝材料にもなります。
もし、中3の4月時点で同学力の生徒が2名いて、1名はこれらの塾、1名は自宅学習のみであったとしたら、入試での得点力や内申に20%以上の差が生じる可能性があります。このように、大手塾の切り札とも言うべき、特別授業は、ボーダー以下の生徒の得点力を引き上げ、進学校へといざなっていったわけです。
「○○君は、××点伸びて入試合格を勝ち得た!!」という宣伝は美しく聞こえますしね。と、いう作戦のもと、地域の上位生を札幌圏に送り込んだ大手塾は、中位~下位の生徒の得点力を引き上げて、進学実績を保てるのです。このパターンは、ここ20年以上、どの地域でも起きていることです。
その結果、進学校の大学合格実績は下降の一途をたどります。その理由は、すこぶる簡単です。
- 通塾期間の長かった塾継続生ほど、高校入学時の解放感が大きく、しばらく勉強のことを真面目に考えない。そのため、初動が遅れるケースが多い。
- 塾継続生の多くは、テストの点の取り方を身につけただけで、根幹となる学力は身についていないケースが多い。
- 塾がかなりのウエートを占めていたため、自ら家庭学習を組み立てて学習することができない生徒が多い。
- 塾がなければ勉強方法がわからないのに、大手塾は高校部に力を入れていなかった(英数のみの対応が限界)。その結果、高校で伸び悩む生徒が続出した。→入試260/300点で合格した生徒が、卒業時に下位20位内に沈んだケースも存在。
私の家庭教師仲間の1人は、塾講師時代にとても面倒見がよく、卒業した塾継続生の数学や物理、化学を教えてあげることが多かったそうです。しかし、「金にならない指導はするな!」と上司から禁止され、泣く泣く対応を止めたそうです。もちろんその塾は、小中生までしか指導をしていません。
また、高校教師の友人も、最近の生徒たちの自学力のなさにかなり閉口しています。彼は、かなり塾を敵視していて「塾は成績を上げ底にして、高校現場を崩壊させる元凶だ!」と同窓会で吠えていました。
彼ほど極端でなくても高校教員の方々には、そのような思いが多かれ少なかれあると私も思います。そんな生徒たちばかりを進学させて、合格実績が上がるわけがない。もっともな声でしょう。
大手塾が、進学校合格者占有率を上げれば上げるほど、高校の大学実績が下がっていく。生徒の自学力を鍛えられない塾には、存在意義はないと私は考えます。そろそろ方向転換してもよいのではないですか?本気で、大手予備校並の高校部を作り上げてもよいですし、地元の高校へ鍛えた生徒を送り込んでもよいとも思います。
今回の功罪シリーズのまとめとして、一つの希望をお話して終えます。それは、北見北斗高校の北大合格実績が復活基調であることです。⑤で書いたように、北見では「志学会」というすぐれた地元塾が根付いています。高校までしっかり面倒をみる姿勢が、地域の教育現場に寄与しているものは大きいですね。北海道の塾がすべて志学会や現役予備校TANJIのようになれば、子供たちにとって幸せかもしれません。